タイムカードの15分単位での計算方法は違法?法的に正しい勤怠管理を解説
働き方改革
タッチオンタイムの紹介

公開日:2025年9月24日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
事務の負担軽減のため、タイムカードの打刻情報を10分単位や15分単位などで管理している企業は少なくありません。しかし、労働時間の切り捨ては法令違反とみなされ、是正勧告や罰則を受けるリスクがあります。
本記事では、タイムカードの労働時間を15分単位で管理する問題点について、詳しく解説します。
- 15分単位の勤怠計算が法律違反となる理由
- 労働時間を切り捨てることで生じる企業リスク
- タイムカード管理における限界と問題点
- 勤怠管理システムで解決できる課題とメリット
労働時間は1分単位での管理が原則
労働基準法第24条により、企業は従業員に対して、働いた分の賃金を全額支払わなければならないと定められています。
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
賃金は労働時間をもとに算出されるため、上記は「全労働時間を賃金計算の対象にしなければならない」とも言い換えられます。すなわち実質的に、労働時間は1分単位で正確に管理する必要があると規定されていることになります。
タイムカードの労働時間を15分単位で行う計算方法は違法?
労働時間は1分単位での管理が原則であり、一定単位で切り捨ててしまっては、賃金を全額支給することができません。例えば、19時12分に退勤した従業員の労働時間を15分単位で切り捨て、19時退勤として扱うことは違法です。
一方、19時12分を19時15分退勤として扱うなど、一定時間に満たない労働時間を切り上げ、本来よりも多くの賃金を支払う分には問題ないとされています。
※参考:労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう|厚生労働省
1か月単位での切り捨て・切り上げは認められる場合がある
労働時間は1分単位での管理が原則ですが、1か月単位での集計においては例外的に切り捨て・切り上げが認められる場合があります。対象となるのは、時間外労働や休日労働、深夜労働の時間を1か月単位で集計しているケースです。
この場合は、事務簡便を目的としたものとして、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることが認められています。
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労働時間を15分単位で切り捨てるリスク
労働時間の15分単位での切り捨ては違法行為であり、企業にとって以下のようなリスクがあります。
労働基準監督署の指導対象になる
労働基準監督署には、企業が労働関係法令を遵守しているか監督・指導する役割があり、定期的な立入調査を行っています。この「定期監督」はどの企業でも対象になる可能性があり、企業は調査に協力し、帳簿や書類などを調査員に提示しなければなりません。
このとき、タイムカードの記録や出勤簿などから労働時間の切り捨てが発覚すると、労働基準監督署から指導を受ける恐れがあります。労働時間の切り捨ては法律違反であるため、口頭指導にとどまらず、是正勧告の対象にもなり得るでしょう。
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法律違反により罰則が科される
労働基準監督署から是正勧告を受けると、期日までの環境改善が求められます。万が一、労働基準監督署の指導を受けたあとも環境改善が見られない場合には、労働基準法第120条にもとづき30万円以下の罰金が科されることにもなりかねません。
また、労働時間の切り捨てにより割増賃金が正確に支給されなかった場合は、労働基準法第37条にも違反します。
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
その場合は、労働基準法第119条にもとづき、30万円以下の罰金ではなく6か月以下の懲役となる可能性もあるため、労働時間は正確に管理しなければなりません。
未払いの給与を請求される
労働時間の切り捨てにより賃金が正確に支給されなかった場合、従業員は未払い分の給与を請求する権利があります。この権利が行使された場合、企業は未払い分の支払いに応じなければなりません。
労働基準法第115条と同法附則第143条の規定により、請求権は3年間有効であり、過去3年間にさかのぼって多額の請求をされるリスクもあります。
※参考:労働基準法第115条|e-Gov法令検索
※参考:労働基準法附則第143条|e-Gov法令検索
企業イメージが低下する
労働基準監督署による是正勧告や賃金の未払いなどが明るみに出れば、企業イメージの低下は避けられません。これにより顧客離れが起きると、企業は大きなダメージを受ける恐れがあります。
また、従業員との信頼関係も失われ、内部崩壊が起きる可能性もあるでしょう。
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タイムカードの勤怠管理における課題
タイムカードによる勤怠管理には、労働時間の切り捨て以外にもさまざまな課題があります。
ミスや不正が起こりやすい
タイムカードで記録された打刻データは、給与の締め日後に手作業で集計されることが一般的です。その際、転記や集計の過程で人的ミスが生じる可能性を完全に排除することはできません。また、従業員による不正打刻やデータ改ざんの余地も残されており、運用上の大きなリスクとなります。
こうしたリスクによって給与計算の正確性が損なわれると、気付かぬうちに労働基準法に違反する恐れがあります。
集計作業に手間がかかる
タイムカードには1日ごとの出勤・退勤時刻などが記録されており、集計作業ではそれらを1つずつ転記していく必要があります。小規模な事業所であればそれほど手間はかかりませんが、従業員数が増えるに従い、集計作業に大きな手間がかかるでしょう。また、確認作業を何度も行うなど、ミスをなくすための作業にも手間がかかってしまいます。
長時間労働を把握しにくい
タイムカードによる勤怠管理では、従業員の正確な労働時間を把握できるのは集計作業後です。集計してはじめて合計の労働時間が分かるので、締め日まで長時間労働に気づけないケースも少なくありません。
結果として、従業員の健康管理が後手に回ったり、企業が労働基準法違反に問われたりするリスクが高まります。
保管のコストがかかる
タイムカードの保管には、物理的なスペースが必要です。また、労働基準法第109条により、労働関係の重要書類は原則5年間保管しなければならないと定められています。
そのため、従業員数の多い企業では、タイムカードの保管に広いスペースが必要になることもあり、保管コストが増大してしまう可能性があります。
タイムカードの課題解消には勤怠管理システムがおすすめ
勤怠管理システムとは、出退勤の打刻や労働時間の集計を効率的に行える勤怠管理専用のシステムです。従業員はパソコンやスマートフォンから手軽に打刻できるほか、ICカードや生体認証など多様な方法に対応しており、不正打刻を防ぐことも可能です。
勤怠データは自動的に集計・管理されるため、紙の出勤簿やタイムカードのように手作業で転記する必要がありません。リアルタイムで労働状況を確認できるほか、有給休暇や残業申請の管理といった便利な機能も搭載されており、勤怠管理業務を大幅に効率化できます。
さらに、打刻情報をデータで一元管理することで、物理的な保管スペースが不要となり、コスト削減にもつながります。
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勤怠管理システムのメリット
ここからは、勤怠管理システムを導入するメリットについて詳しく解説します。
打刻ミスや不正を防げる
勤怠管理システムのなかには、二重打刻や打刻漏れなどがあった場合にアラートが通知されるものが多くあります。そのため、管理者の手間を減らしながら、打刻ミスを効果的に防ぐことが可能です。
また、勤怠管理システムには、ICカード認証や生体認証など多様な打刻方法に対応した製品もあります。本人以外による打刻を防げるので、遅刻・早退の隠ぺいや残業代の水増しなどの不正リスクを低減可能です。修正履歴が残るので、データの改ざんも防止できます。
労働時間をリアルタイムで把握できる
勤怠管理システムなら、従業員の勤怠状況をリアルタイムで把握可能です。タイムカードのように「締め日以降にはじめて長時間労働に気づく」ということがなく、残業が多い従業員に適切なアプローチを取りやすくなります。
また、データの蓄積により残業が多くなりやすい部署や時期なども把握できるため、長時間労働を未然に防ぎやすくなるでしょう。
業務効率が向上する
勤怠管理システムでは、従業員の打刻データをもとに、労働時間や残業時間などの勤怠情報が自動で集計されます。これまでタイムカードや出勤簿の情報を手動で集計していた場合は、業務効率の向上につながるでしょう。ミスの発見や修正も容易なため、確認作業の効率もアップします。
また、勤怠管理システムには、残業申請や有給休暇の管理、シフト作成などさまざまな機能が搭載されたものが多くあります。給与計算システムや人事システムとの連携が可能なものもあり、人事労務管理業務全体の効率化を目指せるでしょう。
多様な働き方に対応できる
多くの勤怠管理システムは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応しています。
オフィスに出社しなくても打刻ができるため、テレワークや直行直帰などの多様な働き方に対応できるでしょう。残業や有給休暇の申請もシステム上で行えるため、申請手続きのためだけに出社する必要もありません。
コンプライアンスの徹底につながる
勤怠管理では、労働時間や残業時間などに関する法律を遵守することが求められます。近年は働き方改革の影響もあり、労働関連法の改正が頻繁に行われており、手作業での対応には限界があります。
その点、勤怠管理システムであれば、自動アップデートによって最新の法改正に即した運用が可能です。また、従業員の勤怠データをリアルタイムで把握できるため、残業時間の上限規制なども管理しやすくなり、結果としてコンプライアンスの徹底につながります。
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まとめ
タイムカードの労働時間を15分単位で切り捨てて計算していると、労働基準監督署から是正勧告を受けたり、法律違反による罰則を科されたりするリスクがあります。イメージ低下による顧客離れが起きる恐れもあるため、従業員の勤怠管理は正確に行いましょう。
勤怠管理方法をタイムカードから勤怠管理システムへ切り替えるなら、「タッチオンタイム(Touch On Time)」をご検討ください。
株式会社デジジャパンが提供するタッチオンタイムは、シェアNo.1※の勤怠管理システムです。
さまざまな労働環境でも打刻環境を整えられるよう、タイムレコーダーを自社開発しており、指紋とICカード打刻が可能な独立型端末「タッチオンタイムレコーダー」やお手持ちの端末で利用できる顔認証打刻「Facee(フェイシ―)」で、労働条件にかかわらず柔軟な打刻が可能です。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:「BOXIL SaaS AWARD Autumn 2025」勤怠管理システム部門
ITトレンド Good Productバッジ 2022