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物流業・運送業の働き方改革とは?トラックドライバーの労働時間や運送会社への影響

働き方改革

ナレッジ

更新日:2024年4月15日


この記事で分かること

  • 物流の2024年問題や働き方改革の概要
  • 物流業界に与える影響と対策

  • この記事の監修者
  • マネーライフワークス代表
  • 岡崎壮史氏
  • 社会保険労務士・1級FP技能士・CFP

2024年4月から働き方改革関連法が施行されることによる物流業や運送業への影響は、物流の2024年問題と呼ばれています。時間外労働の上限規制や割増賃金率の上昇、勤務間インターバル制度の導入などにより、ドライバーの働き方や物流会社の利益圧迫、荷主の負担増などの影響を与える可能性が高いです。

この記事では、物流の2024年問題や働き方改革の概要など、物流業界に与える影響と対策を紹介します。ドライバーの勤怠管理を担当している方はぜひご覧ください。

物流・運送業界の2024年問題とは

2024年4月に働き方改革関連法の猶予期間が終了します。物流業界や運送業界に大きな影響を与えることはご存じかと思いますが、どのような変化があるのでしょうか。

現状の時間外労働の考え方

物流業においては、現状、時間外労働の規定については特段上限が設けられていない状態です。

また、1日当たりの労働時間(拘束時間)の上限についても「原則13時間以内(上限16時間、かつ、15時間超は週2回まで)」とされており、一般的な業種と比べて、時間外労働の基準が異なっているという特徴があります。

そのため、単に「時間外労働の時間数」だけでの判断が難しく、明確な基準を定めることが困難である状態であるといえます。


トラック運転手に適用される改善基準告示

現行見直し後
1年の拘束時間3,516時間原則3,300時間
1か月の拘束時間原則293時間
最大320時間
原則284時間
最大310時間
1日休息時間継続8時間継続11時間を基本、下限9時間

引用:厚生労働省|トラック運転者の改善基準告示

時間外労働の上限規制を踏まえた、時間外労働の削減や過労死等の防止の観点から、改善基準告示の内容の改正が令和5年12月23日付で改正公示が交付されました。

具体的には、「1か月および1年の拘束時間」「1日の拘束時間」「休息時間」「運転時間や連続運転時間」等についての基準の見直しが行われます。

改善基準告示における「拘束時間」は、始業時刻から終業時刻までの時間のことを意味します。拘束時間には仮眠や休憩時間も含まれます。なお、以下の特例が存在する点も確認しておきましょう。

2人乗務の特例・2人以上で乗務し、車両に身体を伸ばして休息できる設備がある場合に限り、最大拘束時間は20時間に延長、休息期間を4時間まで短縮できる
・さらに、一定の基準を満たす車両内のベッド等で8時間以上仮眠時間を与える場合、拘束時間を28時間まで延長できる
隔日勤務の特例・勤務終了後、継続して20時間以上休息時間を与える場合に限り、2暦日の拘束時間が21時間以内の場合に隔日勤務が認められる
・事業場の仮眠施設などで夜間4時間以上の仮眠時間を与えた場合、2暦日の拘束時間は24時間まで延長できる
・ただし、2週につき3回を限度とし、総拘束時間は126時間を超えないものとする
分割休息の特例・一定期間(概ね1か月程度が限度)の善勤務回数の2分の1を限度に、拘束時間の途中や経過直後に休息時間を分割できる

休息期間とは、勤務終了後に次の勤務へ入るまでの時間を指します。「2人乗務の特例」「分割休息の特例」は拘束時間と同様に適用されます。

2024年3月31日まで2024年4月1日以降
継続8時間を下回らないこと継続11時間を基本とし、9時間を下回らないこと
※宿泊を伴う長距離貨物輸送の場合、1週について2回に限り、継続8時間以上の休息期間を設けること
※休息期間が9時間を下回る場合、運行終了後に継続12時間以上の休息期間を与えること

連続運転時間は2024年3月末までの規制と同様に4時間以内とされています。ただし、改正前は非運転時間を確保することとされていましたが、休憩することでなければ運転の中断と認められなくなりました。そのため、荷積みや荷卸しの作業は非運転時間として認められません


時間外労働の上限規制(年間960時間)

2024年3月31日以前2024年4月1日以降
適用なし・特別条項付き36協定を締結する場合、年間の時間外労働の上限は年960時間
・時間外労働と休日労働の合計について「2~6か月平均80時間以内」「月100時間未満」とする規制は適用されない
・月間の時間外労働が45時間を超えることができるのは年に6回までとする規制は適用されない

2024年4月からトラックドライバーの年間時間外労働が960時間(特別条項付き36協定を締結した場合)までに制限されることになりました。2019年の4月から5年間の猶予期間が設けられていましたが、今後は脳・心臓疾患にかかる労災認定基準などの規定も考慮する必要があるため、長時間の時間外労働について厳しく取り締まられることが予想されます。

36協定を締結した場合であっても、原則として月間100時間未満、2か月から6か月のそれぞれの期間に区切った場合において1か月の平均時間外労働が80時間以内である事、月45時間以上の時間外労働は年に6か月までという規定の中で時間外労働を行わなければなりません。


月60時間以上の時間外労働は割増賃金率引き上げ

これまで月60時間以上の時間外労働に対する割増賃金率は、大企業の場合のみ50%以上、中小企業は25%以上とされていました。しかし、2023年4月以降は中小企業も含むすべての企業に50%以上の割増賃金率が適用されます。

企業側の取り組みとして、時間外労働を月60時間以内に割増賃金率が大幅にかさむため、人件費によるコスト圧迫に対応しなければなりません。物流業においては効率的な配送方法を考える必要があります。

とはいえ、物流業界における時間外労働を抑えるためには、現状の配送方法における手待ち時間等の拘束時間をいかに削減するシステムを設けるかという点が大きな課題であるといわれます。


勤務間インターバル制度の導入

勤務時間インターバルの説明
参考:厚生労働省 東京労働局「勤務間インターバル制度をご活用ください」

従来の休息時間の規定では「継続8時間以上」を確保することが義務付けられていましたが、2024年4月より新しく適用されることになる改正基準においては、1日の勤務が終わってから次の出社までに9時間以上の休息時間、努力目標は11時間の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の考え方を導入することになります。

これは、トラックの運転手に対して十分な休息期間の確保が重要であり、令和3年に改正された「脳・心臓疾患に係る労災基準」において、長期間の過重業務と評価されることなどを踏まえたうえで改正が行われる基準となっているためです。

外部リンク:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/interval01.html

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同一労働・同一収入の適用

働き方改革関連法には、正規雇用と非正規雇用の待遇差を改善することも求められています。

同一労働・同一収入の適用について、すでに大企業では2020年4月から、中小企業でも2021年4月から運用が始まりました。もし非正規のドライバーを雇用している場合、給与形態や評価基準
を明確にし、非正規または正規による待遇差をなくす必要があります。


物流業界の場合の罰則規定

働き方改革関連法に背いた場合、すぐに罰則が適用されるわけではありません。仮に年間960時間働いたとしてもすぐに処罰が下るわけではなく、まずは労働基準監督署からの指導が入ります。

もし、労働基準監督署の指導に従わず改善が見られない場合、是正勧告が行われ、最終的に労働基準監督署のホームページ等で会社情報などが公表され、さらに、内容が悪質である場合は、「6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金(労働基準法第119条)が適用されます。労働基準監督署から指導を受けないよう、時間外労働削減に向けて努めましょう。

参考:厚生労働省「働き方改革関連法のあらまし」

働き方改革法の法改正が物流・運送業界に与える影響

働き方改革法の施行に伴い、今後はトラックドライバーの収入減少のほか、企業側も物流コストが上昇したり離職や人材確保が難しくなったりなど、問題が起きると考えられます。

物流・運送業の会社への影響

まずは物流業や運送業の会社に与える影響をお伝えします。

売上や利益の減少リスク

物流業界では労働力が売上に直結するため、労働時間の上限規制は売上や利益減少につながると考えられます。

今後、同じ利益を維持するためには今までより短時間で同じ仕事量をこなす必要があります。そのためには業務効率を上げなければなりません。もし、同じ業務効率を維持する場合、新規採用による人件費増加や割増賃金率の増加による人件費の増加による利益の圧迫が起きます。

荷主や消費者ニーズに対応できないリスク

2024年問題では、長距離輸送に関する制限が起き、荷主や消費者のニーズに応えられなくなるリスクが起きると考えられます。時間外労働や勤務間インターバルの規制により、1日あたりの輸送距離に制限がかかる可能性が高いからです。

その結果として、従来と比べて、1人当たりの荷物の運送量が減少するため、会社全体の売上の減少につながる事になり、今までであれば対応することができていた荷主や消費者からのニーズに対応することが困難になります。

ドライバーの採用難

残業時間の制限が起きると、長距離ドライバーを中心にドライバーの収入が減少すると考えられます。会社の立場に立つと、働き方改革関連法の施行に伴い、月60時間以上の残業は割増賃金が50%以上になるため、会社側が残業を減らそうとするからです。

また、ドライバーの成り手自体が減っているため、会社としては受けられる案件に制限がかかります。事業規模を維持するのが難しくなるため、業務効率を上げることが大切です。

そもそも、トラック運転手などの貨物運輸のドライバーに対するイメージとして「長時間労働」というイメージが根強く残っていることもあるため、業界全体のイメージアップを図ることもあわせて必要であるとも言えます。


トラックドライバーの給料や働き方への影響

人件費の上昇や引き受けられる荷物の減少に伴い、トラックドライバー側からすると収入が減少する可能性が高いです。今までより残業時間は減る代わりに稼ぎが悪くなるため、トラックドライバーをやめてほかの業種へ転職する人も増えるでしょう。会社側の立場に立つと、求人を出しても応募が集まらない可能性が高く、引き受けられる荷物量がさらに減ってしまうかもしれません。


荷主への影響

働き方改革関連法の施行により影響を受けるのは物流会社だけではありません。物流会社に依頼する荷主にとっても大きな打撃を与えます。

物流コストが増大する

ドライバーに対する制限が課されると物流会社の人件費は高騰します。人件費の高騰は運賃の値上げによって補填されるため、荷主からすると物流コストが増加します。物流コストの増加は販売価格や送料への上乗せに反映されるので、商品の売れ行きにも影響するかもしれません。そのため、荷主の企業の売上にも関係すると考えられます。

輸送に時間がかかる

トラックドライバーの時間外労働や休日出勤が抑制されると、少ない日数や急な依頼への対応が難しくなります。1日あたりに移動できる距離や捌ける荷物量が減るため物流にかかる時間は全体的に鈍化すると考えられます。例えば、指定した日に商品が届かず生産体制に影響が出ることもあるため、荷主の立場からすると輸送のリードタイムが悪い前提で物流および生産ライン、あるいは商品調達の手段を考える必要があります。

物流・運送業界が2024年問題を解決するための取り組み

物流・運送業界が2024年問題を解決するためにはさまざまな取り組みが考えられます。

輸送や配送の方法を検討する

長距離配送や輸送を減らすために配送方法を見直してみましょう。

例えば、複数人体制でリレー運送を行い一人当たりの残業時間を減らしたり、商品の発注者側が車両を用意して複数のサプライヤーを循環するミルクラン方式を採用したりといった工夫が考えられます。

また、鉄道や海運を利用するモーダルシフトも選択肢のひとつです。モーダルシフトの導入は国から補助金を受けられるため検討するのもよいでしょう。


荷主とリードタイムを調整する

商品の発注から納品までにかかる時間や日数といったリードタイムを荷主と調整することも大切です。

今までの労働時間と同様の状態で長距離輸送をするのは現実的ではありません。しかし、リードタイムが1日変わるだけで規定の労働時間に収めることができます。リードタイムの調整には物流会社と荷主のコミュニケーションが必要不可欠です。

なお、中1日開けて次の荷物の積載をするだけで積載率の高い効率的な輸送ができます。単純な荷物量の減少で終わらせないよう業務効率を工夫しましょう。


労働基準監督署による荷主への要請

道路貨物運送業は、長時間労働の要因の中には取引慣行等、個々の事業主の努力だけでは見直すことが困難なものがあり、その改善のために、発荷主又は着荷主等の協力が必要不可欠であるといえます。

今回の改正により、労働基準監督署より荷主や元受け運送事業者に対して、長時間の荷待ちを発生させないようにすること等についての要請を行うことになりました。

ITシステムの活用

時間外労働を削減しながら生産性を維持するには業務効率を上げる必要があります。

例えば、配車や配送計画のデジタル化やトラックの予約システム導入、伝票や送り状のデータ化など、ITシステムの導入による時間削減は可能です。

また、勤怠管理システムを導入することも時間外労働の削減に効果をもたらします。タイムカードの記入や提出、上司への勤怠報告や給与計算など、さまざまな周辺業務の軽減に役立ちます。

ITシステムの導入により業務効率やドライバーの待機時間が削減できます。


勤怠管理を強化する

勤怠管理の強化は働き方改革関連法の違反を防ぐためにも重要です。

例えば、時間外労働の上限規制だけでなく、勤務間インターバル精度の導入も意識しなければなりません。社外にいるドライバーは、日中の勤務だけでなく深夜勤務で働いている可能性もあります。アナログな手法では一人ひとりの勤怠管理をするのは難しいです。

いきなり処罰を下されることはありません。ただし、時間外労働の超過による労働基準監督署の指摘を無視し続けていると、気づかないうちに違反し罰則対象や罰金になるリスクがあります。まずは社内の実態を把握することが大切です。

まとめ

2024年4月に施行される働き方改革関連法が物流業界や運送業界に与える影響についてお伝えしました。

時間外労働の上限に規制が課されるため、トラックドライバーの収入減少や離職、物流会社や荷主のコスト上昇などが起きると考えられます。働き方改革関連法に違反すると罰則や罰金の対象になる可能性もあるため、勤怠管理を徹底しましょう。

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