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みなし労働時間制とは?制度のメリット・デメリット、導入方法を人事労務向けに解説

ナレッジ

公開日:2018年3月26日
更新日:2026年5月27日

こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。

「みなし労働時間制」は、一度は耳にしたことがあっても説明はなかなか難しい制度のひとつです。
この制度はあらゆる職種に当てはめられるものではなく、適用条件や特徴があります。人事担当者として自社への導入を検討する前に、基本的な知識をしっかり身につけて、適切に運用できるよう準備しておきましょう。

この記事でわかること・解決できること
  • みなし労働時間制の概要や適用対象となる職種
  • 企画業務型・専門業務型・事業場外みなし労働時間制の違い
  • 制度導入によるメリット・デメリットや違法となるケース
  • 導入時に必要な手続きや労務管理上の注意点

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みなし労働時間制とは?概要を解説

労働基準法において、労働者を雇用する際には1日8時間、週40時間まで働かせてよいことが定められていますが、労働者の業務や勤務時間を管理することも使用者の業務です。

しかし、使用者が労働者の時間管理をすることが困難な場合には、労働時間を自由に配分できるよう労働者に裁量を認めた方が合理的な場合があります。そのために設けられたのが、みなし労働時間制です。みなし労働時間制とは、前もって定めた時間を働いたとみなす制度で、労働基準法第38条の2~4に定められています。

みなし労働時間制の適用対象となる職種

労使で合意した時間を協定締結により決定し、1日の労働時間とみなすみなし労働時間制を適用できる職種は、それほど多くありません。実労働時間の把握が難しい、もしくは時間数によって賃金を決めるのがなじまない労働者になりうるのは、営業職や在宅勤務者、コンサルタントや研究者、システムエンジニアなどの専門職に就く人です。職種については次の章で細かく説明いたします。

みなし労働時間制の3種類と要件

みなし労働時間制には3つの部類があります。

企画業務型裁量労働制

1つ目は「企画業務型裁量労働制」です。職務が事業運営の企画や立案、調査、分析の場合に、業務の手順や時間配分を使用者の指示なく行えるときは、労使委員会で定められた労働時間数働いたものとみなします。実際の労働時間数は全く関係ありません。

これは2000年4月から施行となった制度で、労働者自身の能力を十分に発揮し、主体的に業務にかかわることをうながす役割をもっています。

具体的には、企業の本社や本店にて事業運営上中枢となる企画や立案を行う労働者が適用の対象者となり、自由度の高い働き方ができるのが特徴。本社以外にも、運営上大きな影響を及ぼす決定を行う事業場も適用の対象です。

この制度における使用者としての注意点は2つあります。

  • 休憩時間や休日、深夜の割増賃金などの規定は原則どおり適用されること
  • 使用者は労働者の労働時間の状況や健康および福祉のための措置を、所轄の労働基準監督署長へ定期的に報告する必要がある

※参考:裁量労働制の概要 |厚生労働省

専門業務型裁量労働制

2つ目のタイプが、「専門業務型裁量労働制」です。業務を遂行するための手段や時間配分について、使用者の指示を要しない20の業務に就く労働者に適用できる制度であり、労使協定で定められた労働時間数働いたものとみなします。20の対象業務についてはこちらをご覧ください。

※参考:専門業務型裁量労働制について|厚生労働省

この場合も、実際の労働時間数は関係ありません。業務の性質上、労働者の裁量にゆだねた働き方が求められるとされる業務は、厚生労働省令および厚生労働大臣告示によって定められています。

導入の際は適用対象となる業務を労使において定め、事業場の過半数を占める労働組合もしくは代表者と労使協定を締結し、所轄労働基準監督署長へ届け出を行います。

事業場外みなし労働時間制

3つ目は「事業場外みなし労働時間制」です。事業場外みなし労働時間制とは事業場の外で労働することが求められる場合で、労働時間の算定が難しいときに所定労働時間働いたものとみなします。

典型的な例としては営業職が挙げられます。外回りを頻繁にすることで労働時間の正確な把握が困難であるという要件に該当。ただし外へ出かける時間の配分が決められていると条件に当てはまらないこともあります。

また、事業場外みなし労働時間制はさらに細かく分けることができ、所定時間分働いたとみなすタイプと、業務を遂行するために通常かかる時間分を労働したとみなすタイプがあります。前者の場合、労使協定は不要で就業規則に定めておけば適用可能ですが、後者の場合は労使協定が必要なため、違いに注意が必要です。

※参考:事業場外労働|厚生労働省

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「みなし労働時間制」と「みなし残業(固定残業代)」の違い

研究者やシステムエンジニアなどの職業において、成果主義の考え方が広まってきていることを踏まえ、労働時間の長さにかかわらず、あらかじめ決められた一定時間分の残業代を支払うのが、みなし残業(固定残業代)です。みなし労働時間制とみなし残業の違いは、みなし残業においては設定した時間を超える残業が発生した場合に、超過分の残業代が追加で支払われる点にあります。

みなし労働時間制における残業代の扱い

みなし労働時間制では、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めたみなし労働時間を働いたとみなすため、原則として残業代は発生しません。ただし、みなし労働時間が法定労働時間(1日8時間)を超える場合は、超過した時間分の割増賃金の支払いが必要です。また、深夜(22時〜翌5時)や休日の労働については、みなし労働時間制を採用している場合でも、別途割増賃金の支払い義務が生じます。人事労務担当者はこれらの例外を正確に把握したうえで、給与計算・勤怠管理の運用体制を整えておくことが求められます。

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みなし労働時間制のメリット・デメリット

みなし労働時間制のメリットとデメリットを、企業側と従業員側に分けて解説します。

企業側のメリット・デメリット

みなし労働時間制を取り入れたときの使用者のメリットは、給与計算といった人件費の管理や計算の工数を削減できることです。賃金支払いの対象となる労働時間をみなし労働時間に統一することで、発生する賃金も固定化することができます。

従業員側のメリット・デメリット

労働者としても、8時間かかるとされる業務を6時間で行えた場合にも8時間分の賃金を受け取れるため、効率的に働けば働くほどメリットがあります。一方で、必要以上に時間を使ってしまっても労働時間は8時間とみなされるため、損をする可能性もあるのがデメリットです。課される業務量の程度が重要といえます。

みなし労働時間制が違法になるケースと注意点

みなし労働時間制自体は、労働基準法に定められた合法的な制度です。しかし、適用要件を満たさないまま運用すると、違法となるリスクがあります。以下は、よくある問題です。

  • 実際には使用者が細かく指示・管理しているにもかかわらず、事業場外みなし労働時間制を適用している
  • みなし労働時間が法定労働時間を超えているのに割増賃金を支払っていない

また、深夜・休日労働への割増賃金は、みなし労働時間制を導入していても支払いが免除されない点に注意が必要です。

みなし労働時間制の導入方法と手続き

みなし労働時間制の導入には、制度の種類ごとに異なる要件と手続きがあります。就業規則の整備から労使協定の締結・届け出まで、順を追って確認しましょう。

導入前の準備:就業規則と労務管理体制

みなし労働時間制を導入する際は、まず就業規則に制度の適用に関する内容を明記する必要があります。労働者が10人未満で就業規則が存在しない場合は、労働契約書への記載で対応します。

併せて、みなし制を採用していても従業員の労働時間の状況把握義務は免除されないため、安全配慮義務の観点からも、実態に即した労務管理体制を事前に整えておくことが、トラブル防止の第一歩です。

手続きの流れ:労使協定の締結・決議と届け出

手続きの内容は制度の種類によって異なります。企画業務型裁量労働制では、労使委員会の設置・決議・届け出という手順を踏む必要があります。

専門業務型裁量労働制は労使協定の締結と労働基準監督署への届け出が必須で、2024年4月以降は従業員本人の個別同意も必要になりました。事業場外みなし労働時間制は、みなし時間が所定労働時間内であれば、就業規則の変更のみで対応可能です。

※参考:裁量労働制の概要 |厚生労働省

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まとめ:労働条件を決める重要な制度

みなし労働時間制は、事業場外での業務や高度な専門職など、労働時間の管理が難しい業務に適した制度です。3種類の制度にはそれぞれ異なる適用要件と手続きがあり、正しく運用しなければ違法となるリスクもあります。導入にあたっては、残業代の扱いや労務管理体制の整備まで含めて、制度全体を正確に理解したうえで進めることが重要です。

みなし労働時間制のもとでも、従業員の労働時間の状況把握は企業の義務として残ります。勤怠管理システムを導入するなら、タッチオンタイムをぜひご検討ください。「タッチオンタイム(Touch On Time)」は、株式会社デジジャパンが提供する、市場シェアNo.1※の勤怠管理システムです。

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この記事の執筆者
株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
受賞歴:
「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
ITトレンド Good Productバッジ 2022

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