フレックスタイム制のデメリットとは|制度の概要、導入時の注意点や管理方法を解説
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公開日:2018年3月27日
更新日:2026年4月28日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
フレックスタイム制は、従業員のワーク・ライフ・バランスを高め、柔軟な働き方を可能にします。また、プライベートの充実や、ストレスを軽減できることも魅力のひとつです。企業にとっても、無駄な残業時間の軽減、優秀な人材の確保や定着がしやすいというメリットがあります。
フレックスタイム制は従業員側にも企業側にも恩恵がある勤務スタイルですが、デメリットもあります。この記事では、フレックスタイム制のデメリットや導入時の注意点、管理方法などについて解説します。フレックスタイム制を導入する際の参考にしてください。
- フレックスタイム制の概要や他の勤務制度との違い
- 導入によるメリットと、生産性低下や管理負担などのデメリット
- 導入時に必要な手続きや注意点、適した職種の考え方
- 制度を円滑に運用するための勤怠管理方法やポイント
目次
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制は、1987年の労働基準法改正により、1988年の4月から導入が開始された制度です。企業が定めた清算期間と総労働時間の範囲内で、従業員が出勤時間や退勤時間を決めます。
「9:00~17:00」といった画一的な働き方ではないことから、希望やライフスタイルに応じた調整ができます。例えば「子どもの保育園の送迎時間に合わせたい」「通勤ラッシュ時間を避けて出社したい」といった希望に合わせた働き方も可能です。
なお、フレックスタイム制においては、働く時間帯を選べるフレキシブルタイムと、働かなければならないコアタイムを設定するのが一般的です。フレキシブルタイムのみにすることも可能であるものの、企業の多くはフレキシブルタイムとコアタイムを組み合わせて運用しています。
フレキシブルタイム
フレキシブルタイムとは、従業員が始業時刻や終業時刻を、一定の範囲内で自由に決められる時間帯を指します。企業の多くは、勤務しなければならない「コアタイム」の前後にフレキシブルタイムを設けています。フレキシブルタイムとして設定した時間内であれば、都合によって出勤・退勤時刻を変えたり、一時的に職場を離れて用事を済ませたりすることも可能です。
コアタイム
コアタイムとは、フレックスタイム制において労働者が必ず勤務しなければならない時間帯を指します。コアタイムの設定は必須ではないものの、従業員同士の連携や会議、情報共有を円滑にする目的で、多くの企業が導入しています。
時間帯や曜日は企業の裁量で自由に設定できますが、コアタイムが極端に長いと、フレックスタイム制の趣旨に反するとみなされる可能性があります。
フレックスタイム制以外の勤務スタイルとの違い
さまざまな勤務スタイルのなかには、フレックスタイム制と似ているものもあります。ここでは、スーパーフレックスタイム制、裁量労働制、変形労働時間制について解説します。
スーパーフレックスタイム制
スーパーフレックスタイム制とは、コアタイムを設けず、出勤・退勤の時刻を従業員の裁量に委ねる働き方です。必ず勤務しなければならない時間帯がないため、仕事の進み具合や生活状況に合わせて労働時間を調整できます。柔軟かつ自由度が高いため、従業員には自律性や自主管理能力が求められます。
企業側は、業務の進捗管理やチーム内の連携を保つための工夫やルールづくりをする必要があります。
裁量労働制
裁量労働制とは、実際の労働時間に関わらず、事前に労使間で定めた時間に働いたとみなす制度で、賃金は「みなし労働時間」に基づいて支払われます。始業・終業時刻の決定を従業員に委ねる点はフレックスタイム制と似ているものの、賃金は契約上の時間で計算されます。そのため、原則として残業代は発生しません。
対象となる職種は、研究職や企画職などに限られています。
変形労働時間制
変形労働時間制とは、一定期間の総労働時間の範囲内で、業務量に応じて労働時間を配分する制度です。繁忙期には労働時間を長く設定し、閑散期には短縮するなど、企業の業務状況に合わせて調整できるのが特徴です。
フレックスタイム制と同様に一定期間の総労働時間で管理しますが、始業・終業時刻の決定権は企業側にあり、従業員が自由に変更できない点が大きく異なります。
フレックスタイム制を導入する目的とは
企業がフレックスタイム制を導入する目的として、従業員の働き方に柔軟性を持たせ、仕事と私生活の両立を支援することが挙げられます。出退勤の時間を個人の都合や事情に合わせて変えられるため、育児や介護などのライフイベントにも対応しやすくなります。
また、業務量に応じて働く時間を調整することで、仕事に集中できて生産性も高まります。さらに、通勤時間の分散や残業の削減により、従業員の負担軽減や満足度向上にもつながります。
フレックスタイム制のデメリット
フレックスタイム制は自由度が高く、柔軟な働き方ができますが、マイナス面もあります。ここでは、フレックスタイム制のデメリットについて解説します。
自己管理ができないと生産性が低下する
フレックスタイム制は、従業員の裁量で出勤時間や退勤時間を決められる勤務スタイルです。自由に働くことができる一方で、総労働時間の確保などを考慮しながら計画的に勤務する必要があります。そのため、自己管理能力に長けていないと、ルーズな状態が助長されてしまいます。
結果として、労働時間が偏ったり、決められた期日までに業務を完遂できなかったりして、生産性が低下するおそれがあります。
従業員間のコミュニケーションが不足する
フレックスタイム制では、従業員の出勤時間・退勤時間が異なるため、従業員が顔を合わせる機会が減りやすく、コミュニケーション不足に陥る可能性があります。従業員同士でコミュニケーションを図れる社内ツールを活用するなど、コミュニケーション不足を解消する取り組みが必要です。
電話対応や急な会議に対応できない
フレックスタイム制を導入すると、時間帯によっては社内に従業員が不在になります。そのような状況では、取引先や顧客からの問い合わせなどの電話に対応できないという不都合が生じかねません。また、急な会議や打ち合わせにも、従業員が集まらない可能性もあります。
勤怠管理が複雑になる
フレックスタイム制においては、従業員によって出退勤の時間が異なることから、正確な労働時間の把握が難しくなります。残業時間の判定や集計が複雑化し、人事担当者や管理職の業務負担が大きくなる可能性があります。
制度が十分に理解されていないと、コアタイムやフレキシブルタイムの扱いで混乱が生じかねないため、勤怠管理体制を整備しなければなりません。
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光熱費がかさむ
フレックスタイム制は、従業員の出勤時間や退勤時間が一定ではありません。そのため、オフィスの稼働時間が長くなり、空調や照明の使用頻度が増えて、経費がかさむ可能性もあります。
フレックスタイム制の導入が適している職種
技術的な業務、個人での業務をメインとする職種は、フレックスタイム制に向いているといえます。例えば、研究・開発者、編集者、デザイナー、エンジニア、クリエイターなどが挙げられます。フレックスタイム制の導入について、職種に対する法的な制限はなく、幅広い企業や職種で取り入れられています。
フレックスタイム制の導入方法
フレックスタイム制の導入は、労働協定と就業規則に関して、2つの条件を満たす必要があります。以下で詳しく解説します。
労使協定を締結する
フレックスタイム制の導入にあたっては、基本的な部分を労使協定で定めなければなりません。具体的には以下のような項目があります。
- 対象労働者の範囲
- 清算期間の長さ(1か月以内)
- 清算期間の起算日
- 清算期間での総労働時間
- 1日の標準労働時間
- コアタイム・フレキシブルタイム
上記の内容を、労働組合または労働者の過半数の代表者と企業が締結します。
就業規則に記載する
フレックスタイム制を導入する場合は、就業規則に「始業及び終業の時刻を従業員の決定に委ねる」と明記しなければなりません。また、始業時間と終業時間についても記載が必須です。
さらに、フレックスタイム制を導入する際には、導入の意義を明確にしておくことも重要です。
フレックスタイム制の管理方法
フレックスタイム制は、従来の固定勤務制とは労働時間の管理方法が異なります。ここでは、フレックスタイム制における総労働時間と時間外労働について解説します。
総労働時間を定める
フレックスタイム制においては、日々の労働時間が変動するため、労働時間を設定する必要があります。週ごと・月ごとに労働時間を設定する期間のことを清算期間といいます。この清算期間内の総労働時間が、一般的に「定時」といわれる基準の時間です。総労働時間は企業が設定できるものの、上限が定められています。
フレックスタイム制の場合、週40時間あるいは月に何時間以内という総労働時間を設定しなければなりません。フレックスタイム制における総労働時間の計算式は「清算期間内の総労働時間≦(清算期間の暦日数)÷7日×40時間」です。例えば、月の日数が28日の場合は160時間、31日の場合は177.1時間になります。
時間外労働には残業代を支払う
総労働時間を超えると、残業とみなされるため、フレックスタイム制でも残業代を支払わなければなりません。逆に、清算期間内の実労働時間が総労働時間に満たなかった場合には、給与をカットしたり、労働時間を翌月に繰り越したりして対応します。
フレックスタイム制を導入する際の注意点
フレックスタイム制は、全ての企業に適しているわけではありません。ここでは、導入にあたっての注意点について解説します。
フレックスタイム制への適性を確認する
勤務場所が固定されている仕事や、他者のスケジュールに合わせなければならない職種は、フレックスタイム制には向いていません。例えば、工場の製造ラインや窓口業務、対面での接客サービスなどが挙げられます。
社内外との連携が必要な営業職、人員配置の基準が厳格に定められている医療・介護職、授業時間が決まっている教育職なども、フレックスタイム制の導入は難しいでしょう。
導入意義を明確にする
フレックスタイム制は、従業員にも企業にとってもメリットのある柔軟な勤務スタイルです。ただし、従業員の意識次第では、フレックスタイム制がマイナスに作用しかねません。導入を検討する際には、メリットやデメリット、自社にフレックスタイム制が適しているかを考慮しましょう。
また、社内の意識統一のためには、フレックスタイム制の導入意義を明確にすることも重要です。
導入について社内に周知する
フレックスタイム制を導入する際は、従業員への周知を徹底しましょう。制度の概要だけを提示すると、自由度が高い働き方という印象が先行したり、残業代が支払われないといった誤解が生じたりする可能性もあります。
導入にあたっては、導入目的や労使協定、就業規則をはじめ、総労働時間の考え方や出退勤のルールなどを具体的に伝えることが重要です。説明会や社内ツールで理解と協力を得て、円滑な運用へとつなげましょう。
まとめ
フレックスタイム制は、生産性の向上や柔軟な働き方の実現など、さまざまなメリットがあります。ただし、導入・運用にあたっては、労働時間の把握や時間外労働の判定が複雑化して、勤怠管理の負担が増えたり、混乱を生じたりするおそれもあります。
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