残業が深夜に及んだ場合の割増率は?計算方法や注意点を分かりやすく解説
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公開日:2026年7月27日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
従業員が残業をした場合、企業は通常の賃金とは別に割増賃金を支払う必要があります。また、残業が夜間の時間帯に及んだ場合は、通常の残業とは異なるルールが適用されるため注意が必要です。
深夜残業に関する取り扱いは企業ごとに自由に決められるものではなく、労働基準法によって定められています。そのため、割増率や賃金の算出方法を正しく理解しておかなければ、給与計算ミスや未払い残業代などの労務トラブルにつながりかねません。
この記事では、深夜残業の定義や割増賃金の考え方、具体的な算出方法、実務上の注意点について分かりやすく解説します。
- 深夜残業とは?22時から5時までの時間外労働のルール
- 深夜残業の割増率と割増賃金の計算方法
- 深夜残業代を計算する際の注意点と勤怠管理のポイント
- 深夜残業に関するよくある質問
目次
深夜残業とは22時から5時に行う時間外労働のこと
深夜残業とは、22時から翌5時までの深夜時間帯に行われる残業のことです。労働基準法では22時から翌5時までを深夜労働と定めており、企業はこの時間帯の勤務を適切に管理する必要があります。
たとえば、定時後の業務が長引いて22時を過ぎた場合や、夜勤中に予定された勤務時間を超えて働いた場合などが深夜残業に該当します。業種によって発生する場面は異なりますが、製造業や物流業、医療・介護業などでは日常的に発生するケースも少なくありません。
深夜残業のルールを正しく理解するためには、まず深夜労働に該当する時間帯の基準を把握しておくことが大切です。
【結論】深夜残業は時間外割増と深夜割増の両方が適用される
深夜残業について理解する上で、まず押さえておきたいのは、通常の残業と同じ扱いではないという点です。残業が深夜時間帯に及んだ場合は、時間外労働に対する割増だけでなく、深夜労働に対する割増も発生します。たとえば、22時以降に1時間残業した場合のイメージは以下の通りです。
つまり、深夜残業は「残業していること」に対する割増と、「22時から5時まで働いていること」に対する割増の両方が関係します。そのため、通常の残業よりも割増率が高くなります。
深夜残業の割増賃金の計算ポイント
深夜残業の割増賃金は、感覚的に金額を上乗せしてよいものではありません。労働基準法により割増率の下限が定められているため、勤務時間や休日区分ごとに正しく計算する必要があります。ここでは、実務で確認すべき計算ポイントを解説します。
月給制の深夜残業代は1時間あたりの賃金に直して計算する
月給制の場合でも、深夜残業代は1時間あたりの賃金を基準に計算します。そのため、まずは割増計算の基準となる通常賃金を算出しなければなりません。たとえば、月給30万円、月平均所定労働時間が150時間の場合は以下の通りです。
このように算出した1時間あたりの賃金に、深夜残業の割増率を掛けて支給額を計算します。
深夜残業の割増率は50%が基本になる
深夜残業の割増率は50%が基本です。これは、時間外労働に対する割増率25%以上と、深夜労働に対する割増率25%以上が重なるためです。たとえば、1時間あたりの賃金が2,000円の場合は以下の通りです。
22時から5時までの法定時間外労働には、50%以上の割増率が適用されます。
月60時間を超える深夜残業は割増率が75%以上になる
月60時間を超える法定時間外労働が深夜時間帯に及んだ場合、割増率は75%以上になります。これは、月60時間を超えた残業について、時間外労働の割増率が50%以上に引き上げられているためです。たとえば、1時間あたりの賃金が2,000円の場合は以下の通りです。
なお、この割増率が適用されるのは月60時間を超えた残業分のみです。
夜勤の場合は22時から5時の勤務に深夜割増が適用される
夜勤の場合は、残業の有無にかかわらず22時から5時までの勤務に深夜割増が適用されます。深夜割増率は25%以上であり、時間外労働に該当しなくても支払う必要があります。たとえば、22時から7時まで勤務する夜勤従業員の場合、22時から5時までの勤務時間が深夜割増の対象です。
休日出勤(法定休日)が深夜に及ぶと割増率は60%以上になる
法定休日の勤務が22時から5時までの深夜時間帯に及んだ場合、割増率は60%以上になります。これは、法定休日労働の35%以上と深夜労働の25%以上が適用されるためです。たとえば、1時間あたりの賃金が2,000円の場合は以下の通りです。
なお、法定休日労働は時間外労働とは別枠です。そのため、月60時間超の残業に適用される50%以上の割増率は加算されません。
深夜残業の割増賃金を計算する際の注意点

深夜残業の割増賃金は、計算方法だけでなく運用面にも注意が必要です。思い込みによる給与計算ミスや未払い残業代につながるケースもあります。ここでは、実務で見落としやすいポイントを解説します。
管理職でも深夜手当の支払いは必要
管理職は残業代が発生しないため、深夜手当も不要と考えられがちです。しかし、労働基準法上の管理監督者に該当する場合でも、22時から5時までの深夜労働に対する割増賃金は支払う必要があります。
役職名だけで管理職扱いにしているケースでは、後から未払い賃金を請求される可能性もあるため注意しましょう。
深夜手当の端数は50銭未満まで切り捨てできる
深夜手当の計算では端数が発生することがあります。割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げることが可能です。
たとえば計算結果が1,234.49円なら1,234円、1,234.50円なら1,235円となります。端数処理のルールは社内で統一しておくことが大切です。
固定残業代を導入していても深夜手当は別途必要
固定残業代を支給している場合でも、深夜手当まで含まれているとは限りません。就業規則や雇用契約書に深夜割増分を含むことが明確に定められていなければ、深夜手当を別途支払う必要があります。
固定残業代を導入しているから追加支給は不要と判断すると、未払い賃金の原因になるため注意が必要です。
フレックスタイム制でも深夜手当は発生する
フレックスタイム制を採用している企業でも、22時から5時までの深夜労働には深夜割増が発生します。始業・終業時刻を従業員が自由に決められる制度であっても、深夜労働に関するルールは変わりません。
フレックスタイム制だから深夜手当は不要と誤解しないよう、勤務時間帯を正確に管理することが重要です。
勤務時間が不規則な職場では、自己申告や手作業による集計だけで正確な労働時間を把握することは容易ではありません。深夜残業や各種割増賃金を適切に管理するためにも、勤怠管理システムの導入を検討してみましょう。
※関連記事:勤怠管理システムのおすすめ26選|導入メリットや選び方を解説
※参考:労働基準法第三十二条|e-GOV法令検索
皆勤手当などの各種手当も割増賃金の計算対象になる
割増賃金は基本給だけでなく、一部の手当も含めて計算します。たとえば、皆勤手当や役職手当などは算定基礎に含まれるケースがあります。一方で、通勤手当や家族手当などは除外されます。対象となる手当を正しく把握しておきましょう。
深夜の残業に関するよくある質問
深夜残業のルールや割増賃金について理解できても、実際の勤怠管理や給与計算では細かな疑問が出てくることがあります。ここでは、深夜残業に関して特によく寄せられる質問について回答します。
会社の指示がない深夜残業にも割増賃金は必要?
会社が明示的に指示していない深夜残業でも、割増賃金の支払いが必要になる場合があります。たとえば、業務量が多く残業せざるを得ない状況を会社が把握していた場合や、日常的に黙認していた場合などです。
一方で、従業員が業務と関係なく自主的に居残っていた場合は、残業と認められない可能性があります。
予定外で深夜まで働いた場合も深夜割増は発生する?
予定外の残業であっても、22時から5時までの時間帯に労働した場合は深夜割増が発生します。深夜割増は事前のシフトや勤務予定ではなく、実際に働いた時間を基準に判断されるためです。
たとえば、通常は21時に退勤する予定だったものの、急なトラブル対応や業務の遅れによって23時まで勤務した場合、22時から23時までの1時間は深夜労働に該当します。
早出勤務も残業として扱われる?
早出勤務をしただけで残業になるわけではありません。たとえば、始業時刻より前に出勤しても、その分早く退勤し、法定労働時間や所定労働時間を超えていなければ残業には該当しません。
一方で、会社の指示による早出勤務で労働時間が増えた場合は、時間外労働として扱われる可能性があります。
深夜残業に制限がある従業員はいる?
深夜残業には法律上の制限が設けられている従業員がいます。おもな対象者は以下の通りです。
- 18歳未満の年少者
- 妊娠中の女性(本人から請求があった場合)
- 出産後1年以内の女性(本人から請求があった場合)
- 小学校就学前の子どもを養育する労働者(一定条件あり)
- 要介護状態の家族を介護する労働者(一定条件あり)
18歳未満の年少者は、原則として22時から5時までの深夜業が禁止されています。また、妊娠中・産後1年以内の女性や、育児・介護を行う労働者についても、本人から請求があった場合は深夜業が制限されることがあります。深夜残業を命じる際は、対象者に該当しないか確認することが大切です。
まとめ
深夜残業には、時間外労働や深夜労働に関するルールが適用されます。割増率は勤務時間や休日区分によって異なるため、給与計算ミスを防ぐためにも正しく理解しておくことが大切です。また、深夜残業を適切に管理するためには、勤務時間を正確に把握できる仕組みづくりも欠かせません。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
- ITトレンド Good Productバッジ 2022












