有給休暇を5日取得できなかった場合の罰則は?対象者や会社の対応を解説
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公開日:2026年8月27日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
有給休暇の取得日数が年5日に届かない従業員がいる場合、企業には罰則が科される可能性があります。本記事では、有給休暇の年5日取得義務の基本ルールから、罰則の具体的な内容、5日未達を防ぐ実務対応まで整理して解説します。
- 有給休暇の年5日取得義務の基本ルールと対象者
- 5日取得できなかった場合の罰則と企業側の責任
- 時季指定・計画的付与・管理台帳による未達防止の方法
- パート・半日休・時間休など年5日取得に関するよくある質問
目次
有給休暇の「年5日取得義務」の基本
年5日の取得義務は、2019年4月に施行された労働基準法の改正によって設けられた制度です。ここでは制度の目的や対象範囲、期限の考え方を順に確認します。
「年5日取得義務」の概要・目的
年5日取得義務とは、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、そのうち5日を必ず取得させることを企業に義務づけた制度です。労働基準法第39条第7項に基づき、2019年4月1日から全ての企業に適用されました。
制度が設けられた背景には、有給休暇の取得率が長年低い水準にとどまっていた実情があります。企業が時季を指定する仕組みを設けることで、労働者が休暇を取りやすい環境を整える目的で導入されました。
対象となる従業員の範囲
対象となるのは、年次有給休暇が10日以上付与される労働者全員です。正社員に限らず、管理監督者や契約社員、パートタイマーも年10日以上の付与があれば対象に含まれます。一方、勤務日数が少なく、年間の付与日数が10日に満たない従業員は対象外となります。雇用形態ではなく、付与日数を基準に判断する点がポイントです。
派遣社員についても、派遣元との雇用契約に基づき10日以上の付与があれば同様に対象となります。
5日を消化しなければならない「期限(基準日)」の考え方
5日の取得期限は、有給休暇が付与された日、いわゆる基準日から1年以内です。基準日は入社日から数えて6か月後が原則ですが、企業によっては入社時に前倒しで付与する場合もあります。基準日が従業員ごとに異なると管理が煩雑になるため、基準日を統一している企業も少なくありません。
有給休暇を5日取得できなかった場合の罰則

5日の取得義務に違反した場合、企業には金銭的な罰則が科されます。ここでは罰則の金額や科され方、罰則の対象について解説します。
会社には「30万円以下の罰金」が科される
年5日の取得義務を果たせなかった企業には、労働基準法第39条第7項および第120条に基づき、30万円以下の罰金が科されます。罰則の対象は企業であり、従業員個人ではありません。労働基準監督署の調査によって違反が発覚するケースもあるため、日ごろからの取得状況の管理が欠かせません。
罰則は「従業員1人につき1罪」としてカウントされる
この罰則は、違反した従業員1人ごとに1罪として扱われます。未達の人数が増えるほど、罰金の上限は次のように積み上がる計算になります。
| 未達の従業員数 | 罰金上限の目安 |
|---|---|
| 1人 | 30万円 |
| 10人 | 300万円 |
| 30人 | 900万円 |
ただし、罰則の適用は個別の事情や指導状況によって判断されるため、必ずしも人数分そのまま科されるわけではありません。労働基準監督署からは、まず是正勧告や指導が行われるケースが一般的であり、勧告に従わない状態が続いた場合に罰則の適用が検討されます。
労働者本人に罰則が科されることはない
年5日の取得義務は企業側に課された義務であり、罰則の対象も企業に限られます。労働者本人が休暇を取らなかった場合でも、労働者自身が罰金を科されることはありません。この点をふまえ、企業は労働者の意思に任せきりにせず、積極的に時季指定を行う対応が求められます。
【ケース別】有給5日未達を防ぐ方法
現場では、休みたがらない従業員や年度途中の退職など、取得が難しくなる事情が生じることがあります。ここではケース別の対応方法を解説します。
従業員本人が「休みたくない」と拒否した場合
従業員が休暇の取得を希望しない場合でも、5日分については企業が時季を指定して取得させる義務を負います。本人の意見を聴取したうえで、希望に沿った時季を提案する対応が望まれます。意見を聴かずに一方的に日程を決めると、従業員との間でトラブルに発展するおそれがあるため、注意が必要です。
人手不足を理由に取得を先送りにすると、期限直前になって調整が難しくなるため、早い段階から取得予定を共有しておくと、直前の調整を避けやすくなります。
年度途中で退職・休職した場合
従業員が年度の途中で退職する場合、退職日までの期間内で5日の取得を促す必要があります。ただし急な退職の申し出などで物理的に5日の取得が不可能な場合は、義務違反には問われません。休職の場合も同様に、実際に勤務できた期間に応じて判断されます。
前年度からの繰り越しや前倒し付与がある場合
前年度から繰り越された有給休暇を取得した日数も、5日の取得義務にカウントされます。また入社時などに有給休暇を前倒しで付与した場合は、その付与日が基準日となり、5日の取得期限が計算されます。繰り越し分と当年度分が混在するときは、取得日数の管理を誤らないよう注意が必要です。
有給休暇を確実に5日取得させるための方法
5日未達を防ぐには、企業側から計画的に取得を促す仕組みが有効です。代表的な方法を3つ紹介します。
就業規則に基づき会社が「時季指定」を行う方法
時季指定とは、企業が労働者ごとに有給休暇の取得日を指定する方法です。時季指定を行うには、対象者の範囲や指定方法をあらかじめ就業規則に記載しておく必要があります。労働者の意見を聴いたうえで、希望に配慮した日程を指定する対応が求められます。
「計画的付与制度」を導入して一斉に休暇を消化する方法
計画的付与制度は、有給休暇のうち5日を超える部分について、企業と労働者代表との労使協定であらかじめ取得日を定める仕組みです。夏季休暇や年末年始の前後に組み込むことで、部署単位や全社一斉での取得が可能になります。取得率の底上げにつながる方法として、導入する企業が増えています。
制度を導入する場合は、労使協定の締結に加えて就業規則への記載もあわせて必要になる点に注意が必要です。
「有給休暇管理台帳」を整備して取得状況を可視化する方法
有給休暇管理台帳は、労働基準法施行規則第24条の7に基づき、労働者ごとの基準日・日数・時季を記録する書類です。有給休暇を与えた期間中および満了後3年間の保存が義務づけられています。台帳を作成しなかったこと自体に直接の罰則はありませんが、5日の取得義務違反には30万円以下の罰金が科されるため、実質的には整備が欠かせません。
紙やExcelでの管理は、従業員数が増えるほど更新漏れや基準日のずれが生じやすい傾向があります。打刻データと有給休暇の申請を連携できる勤怠管理システムを利用すれば、取得状況をリアルタイムで一覧化でき、期限が近い従業員への声かけも早めに行いやすくなります。
関連記事:勤怠管理システムのおすすめ26選|導入メリットや選び方を解説
※参考:労働基準法施行規則 | e-Gov 法令検索
有給休暇を5日取得できなかった場合のよくある質問
ここでは、5日取得義務に関して問い合わせの多い疑問をまとめました。
パートなどの短時間労働者も対象になる?
年間の有給休暇付与日数が10日以上であれば、パートやアルバイトも対象になります。勤務日数が少なく付与日数が10日未満の場合は対象外です。雇用形態ではなく、付与日数によって判断される点を押さえておく必要があります。
半日単位や時間単位で取得した有給も「5日」に含まれる?
半日単位で取得した有給休暇は、0.5日分として5日の取得義務にカウントされます。一方、時間単位で取得した有給休暇は、取得義務の5日には含まれません。時間単位の休暇制度を導入している企業は、この違いを従業員に周知しておく必要があります。
就業規則がない小さな職場でも罰則は適用される?
就業規則の有無にかかわらず、年5日の取得義務そのものは全ての企業に適用されます。ただし企業側が時季指定を行うには、就業規則に指定方法などを記載しておく必要があります。就業規則を整備していない小規模な職場でも、労働者からの請求や計画的付与によって5日の取得を進めることは可能です。
まとめ
年5日の有給休暇取得義務は、全ての企業に課された制度であり、違反した場合は30万円以下の罰金が従業員1人ごとに科される可能性があります。対象者の範囲や基準日の考え方を正しく理解したうえで、時季指定や計画的付与、年次有給休暇管理台帳の整備を組み合わせることが、5日未達を防ぐ具体的な対策の一つです。特に紙やExcelでの管理では基準日のずれや更新漏れが起きやすく、¥有給休暇の付与・取得状況を一元管理できる勤怠管理システムの活用が、実務負担の軽減につながります。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
- ITトレンド Good Productバッジ 2022













