正社員の有給休暇日数とは?付与基準・計算方法・繰越ルールを解説
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公開日:2026年8月26日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
正社員として働くうえで気になる「有給休暇」は、法律で定められた大切な権利です。しかし、実際には、「何日もらえるのか」「いつ付与されるのか」「使いきれなかった分はどうなるのか」など、細かなルールを正しく理解できていない人も少なくありません。
本記事では、正社員の有給休暇日数の基本から、付与基準や具体的な計算方法、さらに繰越ルールを解説します。
- 正社員が有給休暇を取得できる条件と付与日数の基本
- 有給休暇の有効期限と翌年度への繰越ルール
- 基準日・出勤率をもとにした付与日数の計算方法
- 年5日取得義務や買い取り・時間単位取得など管理上の重要ルール
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そもそも有給休暇(年次有給休暇)とは?
まずは、有給休暇の基本的な仕組みや意味について解説します。
有給休暇の法律上の定義・目的
有給休暇は労働基準法第39条に定められた法定休暇であり、最大の特徴は「休暇を取得しても賃金が減額されない」点です。その目的は、一定期間勤続した労働者に対して心身の疲労を回復させ、心身ともに健康でゆとりある生活を送れるようにすることです。
労働者のリフレッシュを促し、業務の生産性向上やワークライフバランスの実現を図るための重要な制度として位置づけられています。
正社員が有給休暇を取得するための要件
正社員に有給休暇の権利が発生するためには、労働基準法で定められた2つの要件をいずれも満たす必要があります。1つ目は「雇入れの日から6か月間継続勤務していること」、2つ目は「その6か月間の全労働日の8割以上出勤していること」です。
この2つの条件をクリアした時点で、最初の有給休暇(一般の正社員であれば10日)が法律上付与され、その後は1年ごとに勤続年数に応じた日数が付与されます
※参考:年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有休があると聞きましたが、本当ですか。|厚生労働省
有給休暇の「時季指定権」と「時季変更権」
有給休暇は、原則として労働者が希望する日に取得できる「時季指定権」が認められています。会社は労働者から請求された時季に有給休暇を与えなければなりません。ただし、請求された日に休まれると「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、会社側は休暇の日を他に変更できる「時季変更権」を行使できます。
たとえば、同時期に複数人が休暇を申請して業務が回らなくなる場合や、繁忙期で代替要員の確保が難しく、業務に重大な支障が出る場合などが該当します。
これはあくまで例外的な措置であり、単に「業務が忙しい」という理由だけでは行使できない点に注意が必要です。
有給休暇の「有効期限(時効)」の基本ルール
有給休暇には取得できる期間に制限があり、付与された日から一定期間を過ぎると権利が消滅してしまいます。有給休暇の有効期限(時効)の基本ルールや注意点を解説します。
有給休暇の有効期限は「付与から2年間」
労働基準法第115条により、有給休暇の請求権の時効は「付与された日から2年間」と定められています。たとえば、ある年の4月1日に付与された有給休暇は、翌々年の3月31日までが有効期限となります。
この2年という期間内に消化できなかった分の有給休暇は、特別な事情がない限り、時効によって権利が失われてしまう仕組みです。
期限を過ぎて時効を迎えた有給休暇は自動的に消滅する
付与から2年が経過し、時効を迎えた有給休暇は法律上自動的に消滅します。労働者が「まだ使っていないから残してほしい」と希望しても、原則として翌年以降に持ち越すことはできません。
未消化の有給休暇が消滅してしまうのを防ぐためには、従業員自身が計画的に取得を進めるとともに、会社側も取得状況を定期的に確認・管理することが求められます。
有給休暇の「繰越ルール」と保有上限
有給休暇は使いきれなかった場合でも、一定の条件のもと翌年へ繰り越すことができます。ただし、すべてが無制限に持ち越せるわけではありません。有給休暇の繰越ルールと保有上限を解説します。
前年度から繰り越せる日数の上限は「最大20日」
有給休暇の時効が2年間であるため、前年度に使い切れなかった有給休暇は翌年度に繰り越せます。繰り越せる日数の上限は、1年間に付与される最大日数と同じ「20日」です。前年度にどれだけ有給休暇が残っていたとしても、翌年度に持ち越せるのは最高で20日までとなり、それを超えた分の未消化日数は時効によって消滅します。
当年度に保有できる最大日数(繰り越し分+新規付与分)は「40日」
従業員が一度に保有できる有給休暇は、前年度からの繰り越し最大20日と、当年度の新規付与最大20日を合算した「最大40日」とされています。
※ただし、現在は年5日の有給休暇の取得が義務付けられているため、実務上は少なくとも5日を消化する必要があります。
そのため、未消化分をすべて繰り越した場合でも、実際に保有し続けられる日数は「最大35日程度」となることも多いでしょう。一方で古い有給休暇(前年度からの繰越分)から順番に消化する運用の場合、年5日の取得後に当年度分20日が残り、その後の新規付与によって再び最大40日を保有するケースもあります。制度上の上限(40日)と、取得義務や運用を踏まえた実質的な保有日数には差がある点に注意しましょう。
有給休暇日数の計算手順
従業員に付与すべき有給休暇の正確な日数を算出するためには、適切な手順を踏む必要があります。ここでは、労務管理の実務に欠かせない計算手順を解説します。
ステップ1:基準日(付与日)を確認する
最初のステップは、有給休暇が付与される「基準日」を確認することです。原則として、入社した日から起算して6か月が経過した日が最初の基準日となります。その後は、最初の基準日から1年ごとに新たな基準日が訪れます。
会社によっては、管理の都合上、全社一斉の付与日(4月1日など)を基準日として前倒しで設定している場合もあります。
ステップ2:「全労働日」と「出勤日数」を算出する
基準日を確認したら、対象期間における「全労働日」と「実際の出勤日数」を計算します。全労働日とは、労働契約において働くことが定められている日数のことであり、会社の休日などは除外します。
この全労働日のうち、従業員が実際に何日出勤したかを算出し、「出勤日数 ÷ 全労働日」で出勤率を計算します。この出勤率が8割以上であれば、有給休暇の付与要件を満たしたことになります。
労務担当者が厳守すべき有給休暇の重要ルール

有給休暇の管理は、労働基準法に直結する重要な実務です。最後に、健全な職場環境を維持するために厳守すべき5つの重要ルールを紹介します。
対象の全従業員に「年5日」の有給休暇を取得させる
労働基準法の改正により、年10日以上の有給休暇が付与される全従業員に対して、会社は毎年「年5日」の有給休暇を確実に取得させることが義務づけられています。これはパートやアルバイトであっても、年10日以上付与されていれば対象となります。
義務を怠り、年5日を取得させられなかった場合は、対象従業員1人につき最大30万円の罰金が科される可能性があるため、進捗管理の徹底が必要です。
前倒し・一斉付与を行う場合は「基準日」の扱いに注意する
管理の煩雑さを減らすために、入社半年を待たずに有給休暇を前倒しで付与したり、全社一斉の付与日(期首など)を設けたりする場合は、基準日の扱いに細心の注意を払わなければなりません。
法律上、前倒しした場合はその日が新たな基準日となり、次回の付与もそこから1年以内でなければならないなど、労働者に不利にならないような複雑な計算ルール(重複期間の管理など)が適用されます。
有給休暇の「買い取り禁止」の原則を遵守する
有給休暇は労働者の休養を目的とした制度であるため、原則として会社が有給休暇を買い取ることは法律で禁止されています。安易な買い取りは、労働者の休暇取得を阻害する原因となるため認められません。
ただし例外として、「退職時に使い切れず消滅してしまう有給休暇」や、「法定日数を上回って会社が独自に付与している有給休暇」、「時効を迎えて消滅した有給休暇」に限り、買い取りが認められています。
半日・時間単位の取得制度の導入に向けて「労使協定」を締結する
従業員の多様な働き方を推進するため、有給休暇を半日単位や時間単位で取得できる制度を導入する企業が増えています。半日単位の付与は運用の工夫で可能ですが、「時間単位」での付与を導入する場合は、必ず事前に「労使協定」を締結する必要があります。
時間単位の有給休暇は、年間5日分までと法律で定められているため、協定の締結と合わせた正確な残数管理が不可欠です。
有給休暇管理簿を正しく作成し「5年間」保存する
会社は従業員ごとに有給休暇の取得状況を記録した「年次有給休暇管理簿」を作成する義務があります。管理簿には、有給休暇を与えた「時季(日付)」「日数」「基準日」を労働者ごとに明記しなければなりません。
また、この有給休暇管理簿は法律によって「5年間」の保存義務(当面の間は3年間とする経過措置あり)が定められているため、いつでも出力・閲覧できるように適切に保管する必要があります。
まとめ
正社員の有給休暇(年次有給休暇)は、法律に基づいた正しい付与基準や計算方法、2年の時効に伴う繰越ルールを正確に把握しておくことが欠かせません。年5日の取得義務化や管理簿の保存など、労務担当者が厳守すべきルールも多いため、ミスなく管理するにはリアルタイムに状況を把握できるシステムの活用が有効です。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
- ITトレンド Good Productバッジ 2022












