残業手当の計算方法を解説|割増率や計算式も詳しく紹介
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公開日:2026年8月18日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
残業手当の計算は、企業の担当者にとって重要な業務です。働いた時間に応じて適切に支払う必要がありますが、「計算方法がわからない」「どのように管理すれば良い?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、残業の基本的な定義や残業手当の計算方法、働き方別の計算のポイント、計算時の注意点までわかりやすく解説します。
- 残業とは?基本的な定義
- 残業手当の計算手順
- 働き方別の計算方法
- 計算時の注意点
そもそも残業とは?
正しく残業手当の計算を行うために、最初に残業の定義について確認しましょう。
残業の定義
一般的に残業とは、従業員が決められた勤務時間(所定労働時間)を超えて労働することです。所定労働時間とは、企業が定めた労働時間のことです。たとえば、始業が10時で終業時刻が19時、休憩時間が12時〜13時の場合、所定労働時間は8時間になります。
法定労働時間と法定休日
労働基準法では、法定労働時間は「1日8時間・1週間40時間」が原則と定められています。この時間を超えて労働させる場合は、原則として時間外労働となります。
また、法定休日とは、企業に付与が義務付けられている最低限の休日のことです。「毎週少なくとも1日、または4週間に4日以上」の休日を与えることが義務付けられています。法定休日に労働させた場合には、通常の残業とは異なる休日労働として取り扱われ、所定の割増率で賃金を支払わなければなりません。
法定内残業と法定外残業の違い
法定内残業とは、会社が定めた所定労働時間を超えているものの、法定労働時間である1日8時間・週40時間の範囲内に収まる労働時間を指します。例えば、所定労働時間が1日7時間の会社で8時間働いた場合、追加の1時間は残業にあたりますが、法定労働時間である1日8時間以内に収まっているため、法定内残業として扱います。
一方、法定外残業とは、法定労働時間を超えて働いた時間のことです。法定外残業がある場合は、原則として25%以上の割増賃金を支払う必要があります。残業手当を適切に計算するためには、自社の所定労働時間と法定労働時間の違いを理解し、それぞれを正しく区別することが重要です。
残業手当の計算手順
残業手当は、下記の3つをもとに計算します。
- 1時間あたりの基礎賃金
- 実際の残業時間
- 適用される割増率
具体的な計算手順について説明します。
1時間あたりの基礎賃金を算出
残業代を計算する際は、まず1時間あたりの基礎賃金を算出します。月給制の場合の計算例は次のとおりです。
- 1時間あたりの基礎賃金 = 月給÷月平均所定労働時間
基本的に残業代の計算には「役職手当」「資格手当」「技術手当」などを含んで計算します。一方で、家族手当や通勤手当、住宅手当など、一部の手当は基礎賃金から除外される場合があります。正確な計算を行うためにも、給与規程や労働基準法に基づいて確認することが大切です。
労働時間を把握
次に、実際に残業した時間を正確に把握します。タイムカードや勤怠管理システム、ICカードの入退室記録などを活用し、実労働時間を確認しましょう。サービス残業や記録漏れがあると、適切な残業代の支払いができなくなります。
また、休憩時間は労働時間に含まれないため、実際の勤務時間から休憩時間を差し引いて計算することも忘れないようにしましょう。
※関連記事:勤怠管理システムのおすすめ26選|導入メリットや選び方を解説
割増率を確認
最後に、残業の種類に応じた割増率を適用します。
法定時間外労働は原則25%以上、法定休日労働は35%以上、深夜労働(午後10時から午前5時まで)は25%以上の割増率が適用されます。なお、時間外労働と深夜労働が重なった場合には、それぞれの割増率を合算して計算します。
ここでは、月給24万円、1ヵ月あたりの所定労働時間を160時間とし、1時間あたりの基礎賃金を「24万円÷160時間=1,500円」として、残業代の計算例を紹介します。
| 残業事例 | 割増率 | 計算式 | 残業代 |
|---|---|---|---|
| 時間外労働を12時間行ったAさん | 25% | 1,500円 ×(1+0.25)× 12時間 | 22,500円 |
| 法定休日労働を7時間行ったBさん | 35% | 1,500円 ×(1+0.35)× 7時間 | 14,175円 |
割増率を誤って適用すると、残業代の未払いにつながるおそれがあるため、最新の法令や就業規則を確認したうえで計算することが大切です。
働き方別の残業手当の計算方法

残業手当の計算方法は基本的に共通ですが、勤務形態によって具体的な計算方法が異なるケースがあります。例を見ていきましょう。
フレックス
フレックスタイム制とは、従業員が一定の範囲内で始業・終業時刻を自由に決められる制度です。フレックス制の企業の残業時間は、あらかじめ定められた清算期間における総労働時間を基準に判断します。清算期間の総労働時間が法定労働時間を超えた場合、その超過分に対して残業手当が発生します。
※参考:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き|厚生労働省
※関連記事:コアタイムの意味・目的とは?フレックスタイム制度の役立つ基礎知識からコアタイムの設定における注意点などを解説
裁量労働制
裁量労働制では、実際の労働時間ではなく、あらかじめ定められた「みなし労働時間」を働いたものとみなす制度です。そのため、実際の勤務時間がみなし労働時間を超えたとしても、直ちに残業代が発生するとは限りません。
ただし、みなし時間が法定労働時間の8時間を超えて設定されている場合は、超過分に対して25%以上の割増賃金を払う必要があります。また、深夜労働や法定休日労働については、別途割増賃金の支払いが必要になるケースがあります。
※関連記事:裁量労働制・変形労働制・フレックスタイム制の勤怠管理のポイントを解説
時給制
時給制の残業代は、「時給 × 残業時間 × 割増率」で計算します。時給制は、法定労働時間を超えた分が割り増し賃金の対象です。例えば、時給1,500円の従業員が法定時間外労働を2時間行った場合、割増率25%を適用すると、残業手当は「1,500円×2時間×1.25=3,750円」となります。
日給制
日給制の場合は、一般的には「日給÷1日の所定労働時間」で時給換算を行い、その金額に残業時間と割増率を掛けて残業手当を算出します。日によって労働時間が異なる場合には、1週間の平均労働時間から算出することも可能です。
※参考:割増賃金について|兵庫労働局
年俸制
年俸制であっても、労働基準法上の残業代の支払い義務は原則として変わりません。1日8時間以上、1週間で40時間の法定労働時間を超えた分の賃金は、残業代として支払う必要があります。
計算する際は、年俸額をもとに賞与額を除いて月額給与や時間単価を算出し、法定時間外労働が発生した場合は所定の割増率を適用して計算します。
※参考:労働時間・休日|厚生労働省
残業代を計算する際の注意点
残業代の計算では、単に労働時間を集計するだけでなく、労働基準法に基づいた適切な管理が求められます。企業が法令違反を防ぐためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
法定外残業があるときは36協定を締結する
従業員に法定労働時間を超えて働いてもらう場合は、原則として36協定を締結します。36協定とは、企業が法定労働時間を超えて残業や休日出勤をさせる場合に必要な、労使間の書面協定です。
36協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出ることで、法定外残業が認められます。36協定がないまま法定外残業を命じると、労働基準法違反となるおそれがあるため注意しましょう。
残業代は1分単位で計算が必要
残業代は、実際に働いた時間に基づいて計算するのが原則です。そのため、企業独自のルールで「15分未満は切り捨てる」などと決めている場合でも、一律の処理は認められない場合があります。勤怠記録を1分単位で正確に管理し、適切な方法で残業代を計算しましょう。
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出勤簿の保管は原則5年間(当分の間は3年間)
企業は、出勤簿やタイムカードなどの勤怠記録を適切に保存する義務があります。万が一、未払い残業代などのトラブルが発生した際にも、労働時間の記録があればすぐに対処できます。出勤簿やタイムカードなどの労働関係書類は、労働基準法により原則5年間(当分の間は3年間)の保存が義務付けられています。書類が破棄されていると未払い残業代などのトラブルで企業が不利になる可能性もあるため、確実に保管しておくことが重要です。
※参考:改正労働基準法等に関するQ&A |厚生労働省労働基準局
残業時間の上限を守る
働き方改革関連法により、時間外労働には上限規制が設けられています。原則として月45時間・年360時間を超えないよう管理しなければいけません。これは、長時間労働の抑制と従業員の心身を守るために労働基準法によって定められています。
特別条項付き36協定を締結している場合でも、月100時間未満、2〜6月平均80時間以内といった制限が設けられています。残業時間の上限を超えると違法になるため、適切に管理することが大切です。
※参考:時間外労働の上限規制|厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
残業代請求の時効は3年
未払い残業代を請求できる権利には時効があります。現在は、賃金請求権の時効は原則5年、当面の間は3年です。そのため、数年後に残業代について従業員から問い合わせがあるケースも考えられます。勤怠記録や給与計算の内容を保管していないと会社が不利になる可能性があるため、一定期間資料を保管しましょう。
まとめ
残業手当を正しく計算するためには、残業の定義や法定労働時間、割増率を理解したうえで、基礎賃金や労働時間を正確に把握することが重要です。また、働き方によって計算方法が異なる場合もあるため、自社の制度に応じて適切に対応する必要があります。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
- ITトレンド Good Productバッジ 2022














