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有給休暇の買い取りは違法?認められる例外ケースと計算方法を解説

勤怠管理システム

ナレッジ

公開日:2026年8月17日

こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。

退職する従業員から「残った有給を買い取ってほしい」と言われた場合、どう対応すればよいのか迷う経営者や労務担当者は少なくありません。有給休暇の買い取りは、原則として法律で禁じられていますが、例外的に認められるケースもあります。本記事では、買い取りが違法になる理由と例外の3つのケース、金額の計算方法、トラブルを防ぐための運用方法を解説します。

この記事でわかること・解決できること
  • 有給休暇の買い取りは違法?原則禁止の理由
  • 買い取りが認められる例外ケース
  • 買い取り金額の計算方法と注意点
  • 有給休暇の買い取りに関するよくある質問

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有給休暇の買い取りは原則「違法」

有給休暇の買い取りは、原則として労働基準法に反する行為です。退職する従業員から申し出があっても、在職中の未消化分を一律に買い取ることはできません。まず、なぜ買い取りが原則禁止とされているのかを確認します。

労働基準法で買い取りが禁止されている目的

有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復させ、ゆとりある生活を実現するために設けられた制度です。労働基準法第39条は、一定期間継続して勤務した労働者に対して有給休暇を付与することを義務づけており、その目的は「実際に休ませること」にあります。金銭で代替することを認めると、会社が買い取りを前提に休ませなくなる可能性があるため、原則として禁止されています。

この考え方は行政通達にも示されており、あらかじめ買い取りを前提として法定の付与日数を削減したり、従業員が請求した日数の休暇を与えなかったりすることは、労働基準法第39条違反にあたると明確に位置づけられています。

会社が無理やり買い取って休ませないのはNG

従業員が有給休暇を取得しようとしているにもかかわらず、会社が一方的に「買い取るから出勤してほしい」と申し渡すことは認められません。会社には「年5日の有給休暇を確実に取得させる義務」が2019年4月から課されており(労働基準法第39条7項)、在職中の有給消化分を買い取りで済ませることは義務違反にあたります。

※参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索 / 年次有給休暇 Q8|鹿児島労働局

有給休暇の買い取りが例外として認められるケース

有給休暇の買い取りが原則禁止である一方で、以下の3つのケースでは例外的に認められます。

退職時に未消化の有給休暇が残っている場合

退職が決まっており、退職日までに有給休暇を消化しきれない場合は、残日数を金銭で清算しても違法にはなりません。退職後は有給休暇の権利そのものがなくなるため、時季変更権の問題も発生しないからです。ただし、会社に買い取りの法的義務があるわけではなく、就業規則に規定がない場合は拒否することもできます。退職が決まった段階で早めに会社と相談し、対応を確認しておくことが望まれます。

時効を迎えて消滅してしまう場合

有給休暇の請求権は、付与日から2年で時効により消滅します(労働基準法第115条)。使い切れなかった有給休暇が時効で消滅した場合、会社が任意で買い取りを行っても違法にはなりません。これは、時効消滅後はすでに法律上の権利ではなくなっているためです。福利厚生の一環として、時効消滅分を買い取る制度を設ける会社もありますが、義務ではありません。

※参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索

法定の日数を超えて付与している場合

法律が定める最低限の付与日数(法定日数)を超えて、会社が独自に有給休暇を追加付与している場合、その超過分については買い取りが認められます。法定日数を超えた部分は会社が福利厚生として独自に設けた制度であり、労働基準法の制限を直接受けないためです。たとえば、法定付与日数が10日の従業員に対して5日を追加で付与している場合、その5日分は買い取りが可能です。

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有給休暇を買い取る際の金額はどう決まる?

買い取りが認められるケースにおいて、金額の計算方法は法律で定められていません。実務上の考え方を整理します。

金額の決め方に法的な決まりはない

有給休暇の買い取りに関して、法律上は金額の算定方法に関する規定がありません。会社と従業員の間で合意があれば、金額の設定は原則として自由です。ただし、労働者が納得できる基準を設けておかないと、退職時のトラブルにつながる場合があるため、就業規則に計算方法を明記しておくことが実務上の対応として推奨されます。

一般的な計算基準(平均賃金・通常賃金・標準報酬月額)

実務でよく使われる計算方法は次の3つです。

  • 平均賃金:直近3か月の賃金総額を3か月の暦日数で割った1日あたりの金額を基準とする方法
  • 通常賃金:所定労働時間分の賃金をそのまま支払う方法で、月給制の場合は月給を所定労働日数で割って1日分を算出する
  • 標準報酬日額:社会保険の標準報酬月額を30で割った金額(標準報酬日額)を基準とする方法。なお、この方法を用いる場合は労使協定の締結が必要です。

いずれも有給休暇を取得した際に支払う賃金の計算方法(労働基準法第39条9項)を参考にしており、就業規則または労使協定で定めることで採用できます。

※参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索

賞与や社会保険料への影響と注意点

有給休暇の買い取りによって支払われる金額は、在職中の場合は給与や賞与として扱われ、所得税や社会保険料の対象になります。退職時の清算については、退職所得または給与所得として扱われ、課税区分は状況によって異なります。判断が難しい場合は、社会保険労務士や税理士に確認することが望まれます。

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有給休暇の買い取りにおける企業のメリット・デメリット

買い取りの対応を検討する際は、企業側のメリットとデメリットの両面を把握しておくことが重要です。

【メリット】従業員の不満解消や退職トラブルの防止

退職時に多くの有給休暇が残っている場合、金銭で清算することで従業員の不満を和らげ、退職に関するトラブルを防ぐ効果が期待できます。引き継ぎ期間中に全日数を消化させることが難しい場面でも、買い取りによって円満な退職につながることがあります。

【デメリット】買い取りが習慣化し休みが取れなくなるリスク

買い取りを前提とした運用が定着すると、従業員が「休まずに買い取ってもらえばよい」という考えになり、本来の目的である心身の回復が妨げられる可能性があります。また、在職中の有給消化が進まない職場環境は、年5日取得義務の違反につながるリスクもあります。買い取りはあくまで例外的な対応として位置づけ、日常的な運用に組み込まないことが重要です。

有給休暇のトラブルを防ぐための適切な運用・管理方法

人差し指を上に指す男性

有給休暇に関するトラブルを未然に防ぐには、ルールの明文化とデジタルを活用した正確な管理が欠かせません。

就業規則に買い取りに関する規定を明記しておく

退職時の買い取り対応や計算方法は、就業規則に明記しておくことで、従業員との認識のずれを防ぐことができます。「退職時に残った法定日数分は買い取りを行わない」「法定日数を超えた付与分については1日あたり○○円で買い取る」など、具体的な条件を定めておくと、トラブルの予防につながります。

有給取得を促進する職場環境を整備する

有給休暇のトラブルを根本的に防ぐには、日ごろから取得しやすい職場環境を整えることが大切です。管理者が率先して取得する、取得予定を早めに共有できる仕組みを設ける、繁忙期の前後に計画的に取得できるよう業務調整をするなど、取得を後押しする取り組みが有効です。

デジタル活用で、正確な有給残数を把握する

有給休暇のトラブルの一因として、残日数の把握が不十分なことが挙げられます。紙の台帳やスプレッドシートによる管理では、集計ミスや更新漏れが生じやすく、従業員自身も自分の残日数を確認しにくい状態になりがちです。

こうした課題の解決策として、クラウド勤怠管理システムの活用が有効です。従業員の入社日や勤続年数に応じて有給休暇の付与日数を自動で計算し、取得・消化状況をシステム上でリアルタイムに反映できるため、手作業による集計ミスや更新漏れを防げます。

クラウド勤怠管理システムでは、有給休暇の申請から承認までを一元管理できるほか、部署やチーム単位での取得状況の可視化、時効消滅が近い日数への自動アラート通知など、有給管理に特化した機能が幅広く搭載されています。

有給残数の確認も従業員自身がシステム上でいつでも行えるため、時効消滅が近い日数のアラート通知と合わせて活用することで、消化漏れや買い取りトラブルを未然に防ぎやすくなります。

※関連記事:勤怠管理システムのおすすめ26選|導入メリットや選び方を解説

まとめ

有給休暇の買い取りは、労働基準法のもと原則として禁止されています。例外として認められるのは、退職時の未消化分・時効消滅分・法定日数超過分の3つのケースに限られます。買い取りに法的義務はなく、金額の計算方法も法律で定められていないため、就業規則への明記と従業員への周知が重要です。

また、買い取りを恒常的な運用にするのではなく、有給消化を促進できる職場環境の整備と勤怠管理のデジタル化によって、トラブルを未然に防ぐ体制を整えることが望まれます。

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この記事の執筆者
株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
受賞歴:
「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
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