ブラック企業の定義とは|特徴や事例、事業に与えるデメリットを解説
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公開日:2018年3月26日
更新日:2026年5月29日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
「ブラック企業」という言葉をよく耳にしますが、ブラック企業の定義とはどのようなものでしょうか。ブラック企業の定義について述べられている論文もあるものの、著者によって違う点があり曖昧です。
この記事では、ブラック企業の定義に加え、一般的な特徴や事例、ブラック企業にならないための対策などについて解説します。自社がブラック企業に該当しないかを確認する際に参考にしてください。
- ブラック企業の定義や一般的に見られる特徴
- 長時間労働やハラスメントなど具体的な事例と問題点
- ブラック企業化による生産性低下や人材流出などのリスク
- 勤怠管理やコンプライアンス強化による予防・改善策
ブラック企業の定義とは
ブラック企業とはどのような状態であるかについて、厚生労働省の見解をもとに解説します。また、ブラック企業の対義語として使われる「ホワイト企業」にも触れます。
厚生労働省による定義
ブラック企業とは、人権や法令を軽視して、従業員を「酷使・選別・使い捨て」にする企業を指します。 厚生労働省は、ブラック企業の一般的な特徴として、以下の3点を挙げています。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
- このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
ただし、これらの程度や範囲は明確化されておらず、判断が難しいケースも少なくありません。
※参考:確かめよう労働条件|厚生労働省
ホワイト企業とは
ホワイト企業とは、従業員が安心して働ける環境を整えた企業を指します。おもな特徴として、徹底した法令遵守や正当な人事評価、高い給与水準と充実した福利厚生が挙げられます。残業が少なく有給休暇も取得しやすいため、離職率が低い傾向にあります。
また、テレワークやフレックスタイムといった勤務制度により、多様な働き方を許容する余裕があるのも大きな強みです。ホワイト企業は社会的な評価が高く、優秀な人材が集まりやすい好循環を実現しています。
ブラック企業といわれる会社の特徴
ブラック企業には、共通する特徴があります。ここでは一般的な特徴について解説します。
長時間労働が常態化している
ブラック企業の代表的な特徴は長時間労働です。労働基準法では、労働時間は原則として1日8時間・週40時間までとされています。この法定労働時間を超える場合、労働組合がある会社は36協定を締結する必要があり、1カ月45時間、1年360時間という残業時間の限度が存在します。
特別な事情があってもこの限度を超えることは認められていないため、無制限に残業をさせることはできません。ブラック企業ではこれらのルールに反する過酷な労働が常態化しています。
残業代を支払わない
ブラック企業の特徴のひとつに、残業代の不払いがあります。法定時間を超える勤務への対価の支払いは、労働基準法で義務付けられているため、 これを怠る「サービス残業」は違法です。
ブラック企業においては、申請しづらい雰囲気をつくる、上司が申請を認めないといった実態もみられます。また、自己研鑽ややりがいという言葉でサービス残業を正当化する社風が根付いているケースもあります。
休日・有給休暇を取らせない
ブラック企業は、休息を権利ではなく怠慢とみなし、休日や有給休暇の取得を不当に制限します。労働基準法では、週1日の休日付与や有給休暇の取得を原則として定めているものの、制度の存在自体を否定したり、取得者に低い評価を下したりする企業もあります。このような環境では十分な休養が確保されないため、従業員は心身の健康を維持できません。

達成が困難なノルマを課している
ブラック企業の特徴として、達成が難しい過大なノルマの設定が挙げられます。ノルマ自体は一般的な制度ですが、ブラック企業においては、未達成を理由に解雇を示唆したり、残業や休日出勤を強いたりといった行為が横行しています。
過大なノルマにより強いストレスを生じるだけではなく、目標達成のために個人的な人間関係を利用するなど、私生活に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。
ハラスメントが横行している
ハラスメントとは、同じ職場で働いている人に、職場内の人間関係や優位性を利用して、身体的な苦痛や精神的な苦痛を与える行為を指します。労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法により、企業には健全な労働環境の構築が義務付けられているため、ハラスメントの横行は法律上の義務違反とみなされます。
従業員を平等に扱わない
ブラック企業においては、一部の人物だけの待遇をよくするなど、従業員を平等に扱わない状況の中で業務を進める傾向にあります。そのような状況下で従業員は、精神的にも体力的にも追い込まれてしまいます。
離職率が異常に高い
ブラック企業は過酷な労働環境により、離職率が高い傾向にあります。従業員は、長時間労働や残業代の不払い、ハラスメントの横行などで心身が限界に達しやすく、短期間で職場を去らざるを得ません。企業側も従業員を尊重せずに成果が出なければ切り捨てるため、人員の入れ替わりが常態化しています。
求人募集を出し続けている企業は、人手不足が慢性的であることを示しており、職場環境に問題がある可能性が高いでしょう。
ブラック企業といわれる会社の事例

ブラック企業においては、具体的にどのようなことが行われているのでしょうか。ここでは、ブラック企業の事例について解説します。
ブラック企業例その1|妊娠した従業員の異動を拒否する
ある企業では、正社員の女性が妊娠した際、身体に負担のかからない業務への異動を希望したものの、拒否されるというケースがありました。さらに長時間残業をさせた上に残業代の支払いもなかったことが発覚しました。
このように「長時間労働」「残業代不払い」「産休等の制度不備」が挙げられる企業には注意が必要です。
ブラック企業例その2|上司が部下にハラスメントをする
ある営業会社の上司は、ノルマを達成できなかった従業員を、朝礼で全メンバーが見ている前で罵り「気合が足りない」と竹刀で殴りました。このように上司という立場を利用した罵倒や暴力は、いかなる状況においてもハラスメントとみなされます。
ブラック企業例その3|精神的に追い詰めて自主退職をさせる
ある外資系のコンサルティング会社において、達成困難な難題を与えられ、成果を出したとしても、後から業務命令の内容自体が変更となり、成果をなかったことにされるといったケースがありました。これもブラック企業の手口のひとつであり、繰り返されることで従業員は精神的に追い詰められ、自主退職してしまいます。
ブラック企業例その4|裁量労働制が誤用・濫用されている
ブラック企業では、裁量労働制などの誤用や濫用が頻発しています。裁量労働制とは、労働時間の計算を実労働時間ではなく、みなし時間によって行うことを認める制度で、業務の遂行方法が労働者の裁量に委ねられる、一定の業務に適用されます。対象は、新聞記者・コンサルタント・弁護士など、一部の専門的職種・規格管理業務です。
しかし、ブラック企業では、残業代の支払いを免れるために、裁量労働制の実態を伴わずに利用されているケースがあります。仕事の裁量を与えられず、労働時間を管理されているにも関わらず、裁量労働制という名目のもとに、残業代の不払いが発生しています。
ブラック企業例その5|給料から違法な天引きがされている
ブラック企業では、さまざまな名目で給料から違法な天引きが行われることがあります。法律上は「所得税の源泉徴収」「社会保険料」「労使協定で定められたその他費用」以外に、給料から天引きをすることは認められていません。
例えば、会社の業務で必要な経費を従業員の給与から天引きしてはなりません。また、備品や消耗品の破損に対する弁償や、自社製品の強制的な購入といった天引きが行われている場合は、ブラック企業に該当します。
ブラック企業であることの悪影響
「ブラック企業」という状態で事業活動をしていると、さまざまな悪影響やダメージを生じます。以下で詳しく解説します。
生産性が低下する
ブラック企業の過酷な労働環境で従業員の心身は疲弊し、業務効率が低下します。結果として生産性が損なわれて、業績悪化やコスト増加につながる可能性があります。また、従業員が自社の評価が低いことを認識すると、モチベーションも労働意欲も落ちていきます。人手不足による負担の増大も重なり、組織全体の活力が失われるでしょう。
人材が確保できなくなる
ブラック企業とみなされると、採用市場での信頼が失われ、新たな人材の確保は極めて難しくなります。応募者数の減少だけではなく、求める人材レベルも低下することで、組織力の弱体化は避けられません。在籍中の従業員も、周囲から転職を促されるようになり、退職者が増加するでしょう。
採用難と退職の増加が重なって人手不足が深刻化し、残った従業員の負担が増えるという悪循環に陥ります。
取引先・顧客離れが進む
ブラック企業と認識されると、取引先や顧客からの信頼を失い、既存の取引関係が悪化する可能性があります。評判の悪化によって新規開拓が進まなくなると、売上も減少します。さらに、ブランドイメージの回復には時間がかかるため、離れた取引先や顧客を呼び戻すのは容易ではありません。このような信用の低下は、事業の継続に深刻な影響を及ぼします。
ブラック企業にならないための事前対策

自社がブラック企業にならないためには、どのような対策が必要でしょうか。ここでは、事前にできる対策について解説します。
就業規則を遵守する
就業規則の順守を徹底しましょう。従業員数が10人以上の企業は、就業規則を設定して従業員に周知しなければなりません。就業規則から大きく外れる時間外労働は、ブラック企業とみなされてしまう原因にもなります。
時間外労働を減らすには「ノー残業デー」や「ノー残業ウィーク」を設けると効果的です。効率よく業務をこなすための社内教育や指導も長時間労働の解消につながります。また、賃金や退職に関する事項を明確にして、表彰や制裁を定めておくと、トラブルを未然に防げるでしょう。
勤怠管理を徹底する
日々の業務に追われて見過ごしてしまいがちなのが、従業員の勤怠管理です。長時間労働が続くと、心身が疲弊し、体調を崩す従業員が出てくる可能性もあります。企業経営においては、従業員の勤怠管理は重要な要素のひとつです。従業員を守り、会社の風土を見つめなおすためにも、勤怠管理を徹底しましょう。
従業員のメンタルや健康のケアをする
従業員のメンタルや健康のケアも不可欠です。身体的な健康だけではなく心の健康も重要であるため、労働時間や賃金を適正化し、ワークライフバランスを整えることで、従業員が快適に働ける環境をつくりましょう。
従業員が自分のストレス状態を把握できるようにセルフケア制度を導入したり、メンター制度を充実させたりすることが大切です。経営や上司がフォローできない場合は、産業医やカウンセラーの力を借りて、定期的に相談会などを設けるとよいでしょう。
コンプライアンスへの意識を高める
ブラック企業化を防ぐには、全社を挙げたコンプライアンスの強化が不可欠です。法令遵守を徹底し、社内ルール・倫理を含めた健全な組織づくりが求められます。経営層から一般の従業員まで、立場に応じた教育や研修を定期的に実施して、正しい知識を共有しましょう。組織全体のコンプライアンス意識を高めることが、ブラック企業化の防止につながります。
ハラスメントが発覚したら必ず対応をする
ハラスメントを受けて悩んでいる人や、ハラスメントとみなされた管理職がいると、ブラック企業として訴えられるリスクがあります。ただし、ハラスメントの事実は把握しにくいことに加えて、さまざまな事例があるため、判断が難しいケースも少なくありません。
そのような場合は、厚生労働省の「あかるい職場応援団」という情報サイトをチェックしましょう。ハラスメントの定義や発生時にどうしたらよいかといった情報、裁判事例なども掲載されています。さらに、職場のハラスメント防止に関して、他に先駆けて取り組んでいる企業へのインタビューも参考になるでしょう。
「ブラック企業リスト」の概要
日本では、長時間労働が問題視されています。厚生労働省では働き方を見直すために、2015年の5月からブラック企業リストを公表しています。賃金の不払いや長時間労働などの違反に反した疑いで送検された企業などがリスト化されています。リストには、企業名、公表日、違反法令、事案概要が掲載されており、定期的に更新されます。
リストを公表する目的は、法令違反の企業への制裁ではなく、意識改革と再発防止に取り組んでもらうことと、リストに載っていない企業への啓発です。ブラック企業リストへの掲載が目的ではなく、働きやすい環境づくりを徹底するために作成されました。
まとめ
ブラック企業と呼ばれる組織においては、長時間労働やサービス残業、有給休暇の不取得などが常態化しています。ハラスメントを伴うケースも少なくありません。自社のブラック企業化を防いだり改善したりするためには、勤怠管理やコンプライアンス意識の徹底が不可欠です。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
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