残業80時間は違法になる?企業側のリスクや対処方法を解説
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公開日:2026年7月27日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
従業員の残業時間が月80時間を超えた場合、「違法になるのではないか」と不安を感じる企業担当者も多いのではないでしょうか。働き方改革関連法の施行により、時間外労働には上限規制が設けられています。しかし、残業80時間を超えたからといって、必ずしも直ちに違法となるわけではありません。
一方で、長時間労働は従業員の健康を損なうだけでなく、企業にとっても法的リスクや生産性低下などさまざまな問題につながる可能性があります。本記事では、残業80時間が違法となるケースや企業側のリスク、長時間労働を防ぐための対処法について詳しく解説します。
- 残業80時間は違法になる?36協定と時間外労働の上限規制
- 残業80時間を超えた場合に企業が負うリスクと従業員への影響
- 残業80時間を超えても違法にならないケースと主な原因
- 残業80時間を防ぐための対策と勤怠管理のポイント
目次
残業80時間は違法になる可能性がある?
残業80時間は、法律上の上限規制や過労死ラインとの関係から、企業にとって注意すべき基準のひとつです。まずは、時間外労働の上限について確認しておきましょう。
36協定で定められた残業時間の上限
企業が従業員に法定労働時間を超える残業を命じる場合は、労使間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。36協定を締結している場合でも、時間外労働の上限は原則として以下のとおりです。
- 月45時間以内
- 年360時間以内
この上限を超える時間外労働は、原則として認められていません。そのため、月80時間の残業は原則的な上限を大きく超える水準であり、企業は改善に取り組む必要があります。
※参考:時間外労働の上限規制わかりやすい解説|厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
特別条項付き36協定でも超えられない上限
繁忙期や一時的な業務集中など、特別な事情がある場合は、「特別条項付き36協定」を締結することで、原則の上限を超えて残業を行わせることができます。ただし、特別条項付き36協定にも、以下の上限が設けられています。
- 時間外労働は年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計が2~6カ月平均で80時間以内
- 月45時間超の時間外労働は年6回まで
そのため、月80時間の残業が継続して発生している場合は、法令違反となる可能性があります。企業は単月だけでなく、複数月にわたる残業時間の推移も確認しながら残業時間を管理しなければなりません。
違反した場合の企業のリスク
残業80時間といった長時間労働を放置すると、企業は法的責任だけでなく、従業員の健康悪化や企業イメージの低下といったさまざまなリスクを抱えることになります。ここでは代表的なリスクについて解説します。
残業80時間は過労死ラインにあたる
月80時間の時間外労働は、一般的に「過労死ライン」と呼ばれる基準に該当します。厚生労働省の発表によると、病気の発症前1ヶ月におおむね100時間、または発症前2~6カ月平均で月80時間を超える時間外労働が認められる場合、仕事と脳・心臓疾患との関連性が強いといわれています。
残業80時間を超える状態が続くと、企業は安全配慮義務違反を問われる可能性があります。
※参考:過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ|厚生労働省
残業80時間は心身疾患のリスクが高まる
長時間労働は、睡眠不足や疲労の蓄積によって集中力や判断力が低下するだけでなく、高血圧や脳・心臓疾患の発症リスクも高まると言われています。また、精神面にも多大な影響を与えます。
従業員の健康被害が発生した場合、企業側は労災認定を受けたり、従業員側から損害賠償請求をされたりといったリスクが起こる可能性もあるため、長時間労働の防止に取り組むことが重要です。
残業80時間以上でも違法にならない例外
残業時間の上限規制は多くの労働者に適用されますが、一部の職種や立場の人については適用対象外となる場合があります。ここでは、残業80時間以上でも直ちに違法にはならないとされる役職について説明します。
役員
会社の取締役などの役員は、労働基準法上の「労働者」に該当しないため、原則として労働時間や残業時間の規制を受けません。そのため、役員が月80時間以上働いた場合でも、労働基準法違反にはなりません。
ただし、役員であっても実態として従業員と同様の働き方をしている場合は、「使用人兼務役員」と判断される可能性があります。その場合は労働基準法が適用されるケースもあるため注意が必要です。
※参考:労働基準法における「労働者」とは|厚生労働省 / Q&A労働基準法の 「管理監督者」とは? | 日本労働組合総連合会
管理監督者
労働基準法上の管理監督者も、労働時間や休日、休憩に関する規定の適用除外となります。管理監督者とは、単に役職名が管理職である人を指すのではなく、経営者と一体的な立場で業務を行い、人事や労務管理に関する権限を持っていることなどが要件となります。
そのため、「課長」や「店長」といった肩書があっても、実態が伴わなければ管理監督者とは認められません。近年では名ばかり管理職が問題となり、未払い残業代が発生するケースもあります。「名ばかり管理職」に当てはまる場合、従業員から未払い残業代を請求される可能性もあるため、労働基準法が定める「管理監督者」の要件を満たしているか、事前に確認しましょう。
従業員の残業が80時間以上になる原因

残業80時間を超える背景には、企業の組織体制や業務運営上の課題が隠れていることがあります。長時間労働を防止するためには、まず原因を把握し、適切な対策を講じることが重要です。従業員の残業が80時間以上になるよくある原因を見ていきましょう。
従業員不足
残業時間が増える原因として多いのが、人員不足です。必要な人員を確保できていない場合、限られた従業員に業務が集中し、一人あたりの負担が大きくなります。採用難や離職率の高さによって慢性的な人手不足に陥ると、長時間労働が常態化しやすくなるため注意が必要です。
繁忙期や業務集中による一時的なもの
決算期や繁忙期など、一時的に業務量が増加することで残業時間が増えるケースもあります。
このような場合は特別条項付き36協定によって対応できることもありますが、長期間にわたって続く場合は業務配分や人員配置の見直しが必要です。
長時間残業があたりまえの雰囲気
企業文化や職場風土が原因で長時間労働が常態化しているケースもあります。「上司が帰るまで退社しづらい」「残業する人ほど評価される」といった雰囲気がある職場では、必要以上の残業が発生しやすくなります。
このような状況を改善するためには、経営層や管理職が率先して働き方改革を推進し、残業削減への意識を高めることが重要です。
残業80時間超えが従業員に及ぼす影響
残業80時間を超える状態が続くと、従業員の健康や仕事のパフォーマンスに深刻な影響を与える可能性があります。企業は従業員の健康管理の観点からも、長時間労働を防止しなければなりません。ここでは、残業80時間超えが続いた場合に従業員に及ぼす影響について、具体的に見ていきましょう。
体への影響
長時間労働が続くと、睡眠時間の不足や慢性的な疲労の蓄積により、心身の回復が十分に行えなくなります。疲労が蓄積すると、頭痛や肩こり、胃腸の不調、倦怠感などの症状が現れやすくなり、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まることも問題です。さらに、脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾病につながる可能性もあるため、企業は長時間労働を放置してはいけません。
心への影響
残業時間の増加は、身体面だけでなく精神面にも大きな負担を与えます。長時間労働によって仕事とプライベートのバランスが崩れると、ストレスが慢性化しやすくなり、不安感や焦燥感、集中力の低下などの症状が現れることがあります。
また、強いストレス状態が続くと、うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調を引き起こす可能性がある点も問題です。精神疾患による休職や離職につながるケースもあるため、企業は従業員のストレス状況を把握し、早期にケアを行いましょう。
残業80時間を超えた際の企業の対処法
従業員の残業時間が80時間を超えた場合は、速やかに状況を把握し、再発防止に向けた対策を講じる必要があります。残業80時間を超えた場合の企業の対処法を4つ紹介します。
残業時間の管理・削減
まずは勤怠管理システムなどを活用し、従業員ごとの残業時間を正確に把握しましょう。長時間労働が発生している部署や業務を分析し、業務の効率化や人員配置の見直しを進めることが重要です。また、ノー残業デーの導入や業務フローの改善も効果的な対策のひとつです。
※関連記事:勤怠管理システムのおすすめ26選|導入メリットや選び方を解説
医師の面接指導の実施
労働安全衛生法では、一定時間を超える時間外労働を行った従業員に対し、医師による面接指導を実施することが求められています。健康状態を確認し、必要に応じて就業上の措置を講じることで、健康障害の予防につながります。従業員から申し出があった場合は、速やかに対応しましょう。
就業規則や雇用契約書の見直し
長時間労働が常態化している場合は、就業規則や雇用契約書の内容を見直すことも重要です。
残業に関するルールや申請手続きが不明確な場合、適切な労務管理が行えない可能性があります。法改正にも対応できるよう、定期的な見直しを行いましょう。
労働専門弁護士に相談
残業時間の管理や未払い残業代の問題などに不安がある場合は、労働問題に詳しい弁護士へ相談するのも有効です。専門家のアドバイスを受けることで、法令違反や労務トラブルを未然に防ぎやすくなります。特に長時間労働が継続している場合は、早めに相談することをおすすめします。
まとめ
残業80時間は、直ちに違法となるわけではありません。しかし、36協定の上限規制や過労死ラインとの関係から、企業としては特に注意が必要な水準です。
長時間労働が続くと、従業員の健康被害や損害賠償請求などさまざまなリスクにつながる可能性があります。企業は残業時間を適切に管理し、業務効率化や人員配置の見直しなどを通じて長時間労働の削減に取り組むことが重要です。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
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