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36協定とは?基礎知識から違反となる意外なケースまで解説

ナレッジ

公開日:2018年3月27日
更新日:2026年5月28日

こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。

会社や組織を運営していく上で、従業員が最大限に働ける環境を整えることは、経営者や管理職の責務といえるでしょう。業務によっては時間外労働や休日労働も必要になる場合もありますが、そこで重要となってくるのが労働基準法です。なかでも、使用者と労働者の間、すなわち労使間で取り決める「36(サブロク)協定」が関わってきます。名前は耳にしたことがあっても、

  • 36協定とは一体どういう内容なのか?
  • 36協定で実際にできることは何か?
  • 36協定の届出を行わなかった場合どうなるのか?

など、さまざまな疑問もあるでしょう。今回は、36協定の基本的な内容、書類の記入方法、法律に抵触した場合の事例と罰則などについてご紹介します。

この記事でわかること・解決できること
  • 36協定の概要や時間外・休日労働との関係
  • 36協定の締結手順や届出書類の記入ポイント
  • 違反となるケースや実際の罰則・企業リスク
  • 36協定を運用する際の注意点や長時間労働対策

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36協定とは?概要説明

36協定とは通称で、「時間外・休日労働に関する協定届」が正式名称です。労働基準法の36条に定められていることが、名称の由来になっています。36協定は時間外労働や休日労働を行わせる際に必要な手続きです。労働基準法では、

「労働時間は、1日8時間、1週40時間を超えない」(第32条)

「原則的に、週1回の休日を設ける」(第35条)

となっています。しかし、労使協定を行って行政官庁に36協定を届出した場合は、協定で決めた範囲内で従業員の労働時間を延長したり、休日労働に就かせたりすることが可能になります。36協定を締結するためには、労働組合または労働者における過半数の代表者と協議する必要があります。

36協定を出したほうが良い理由

「法定労働時間」を超えた時間外労働・休日労働を課す場合

納期が短い事案が発生したり、先方の都合で急な予定変更を迫られたりすることもあるでしょう。36協定がない状態では、時間外労働を課すことができません。労使間で想定される事態を協議しておき、36協定を出すことで、緊急の業務への対応も可能になります。同様に「法定休日」に労働させる場合にも36協定が結ばれていなければなりません。

労働時間を延長できる上限と時間

厚生労働省が出した「労働時間の延長の限度等に関する基準」では、労働時間は次のように上限が定められています。

  • 1か月の場合:45時間(1年単位の変形労働時間制ならば42時間)
  • 1年の場合:360時間(1年単位の変形労働時間制ならば320時間)

上記に対応して、一般的に36協定でも1日、1か月、1年などと期間を区切っての限度時間が設定され、労働基準監督署の監督官がチェックするポイントになっています。上記のような1か月、1年の労働時間の限度を延長する特別条項が締結された場合、特別条項の利用回数は1年の半分、つまり6回を超えないことが限度です。ただし、時間の上限については労使間の話し合いに委ねられているため、法令の規定は設けられていません。

36協定には有効期間があり、毎年の更新が必要

「限度基準告示(第69号)」には、36協定の有効期間は最長1年と定められています。したがって、36協定は1度だけで終わりではなく、労使間での締結と行政官庁への届出を毎年行わなければなりません。

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36協定の正しい記入方法

基本的に記入すべき項目は22項目あり、特別条項を設ける場合はさらに4項目が必要です。詳しくは所轄労働局へ確認する方が安全なので、ここでは重要なポイントに絞って解説します。

一般条項(様式第9号)の記載例

  • 業務の種類:「事務」や「製品管理」など、従業員の業務内容を具体的に記入します。
  • 1日を超える一定の期間(起算日):「1か月(毎月1日)」「1年(4月1日)」のように、期間内の「何日」から時間外労働時間をカウントするのかを記入します。
  • 協定当事者の職名・氏名:管理監督者は労働者の代表になれません。役職名がない場合も「店員」「役職なし」など、立場を明記しましょう。労働者の代表が署名か記名押印をすることで、届出書と協定書を兼ねることになります。
  • 労働させることができる休日ならびに始業および終業の時刻:法定休日労働が予定されているときは記入します。
  • 時間外労働/休日労働をする必要のある具体的な理由:「臨時の受注」や「納期変更」など、具体的な理由を記入します。

特別条項(様式第9号の2)の記載例

臨時的に発生する特別の事情について、内容・限度時間・割増賃金などについて具体的に記入します。ここは企業ごとに事情が異なるため、第三者が見ても分かるよう記入する必要があります。

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36協定を締結する際の手続きの手順

36協定を締結する際には、4つの手順を踏む必要があります。以下で詳しく解説します。

1.労働者側と協議を行う

まず、労働者側と36協定の内容について交渉します。おもな交渉事項は、以下のとおりです。

【共通】

  • 対象労働者の範囲
  • 時間外・休日労働を指示できる期間(対象期間は1年以内)
  • 時間外・休日労働を指示できる場合
  • 時間外労働の上限時間および休日労働の上限日数(1日・1か月・1年ごと)
  • 対象期間の起算日
  • 36協定の有効期間

【特別条項を定める場合】

  • 限度時間(1か月45時間・1年360時間)を超えて労働させる場合
  • 健康および福祉を確保するための措置
  • 限度時間を超えて労働させる場合の割増賃金率
  • 限度時間を超えて労働させる場合の手続き

なお、交渉相手は、事業場の過半数で組織された労働組合、または過半数代表者とします。

2.36協定を取り交わす

労働者側との交渉がまとまり次第、36協定を取り交わします。様式に定めはないため、一般的な契約書に準じて締結します。なお、36協定には前掲の交渉事項以外にも、次の事項を定めなければなりません。

  • 坑内労働など健康上特に有害な業務の時間外労働は、1日2時間以内とすること
  • 1か月あたりの時間外労働と休日労働の合計を100時間未満とすること
  • 対象期間の初日から1か月ごとに区分し、連続する2~6か月の各期間において、時間外労働と休日労働の1か月平均を80時間以内とすること

3.労働基準監督署へ提出する

労使間で36協定の原案をもとに、今年度の36協定届を作成します。作成した36協定届は2部印刷し、労働者代表と企業側が署名・捺印の上、事業場を管轄する労働基準監督署へ電子申請・郵送・窓口のいずれかで届出します。

4.36協定の内容を労働者へ周知する

締結した36協定は、すべての労働者に周知する必要があります。おもな方法は次のとおりです。

  • オフィスや工場など、労働者が見やすい場所に掲示または設置する
  • 磁気テープや磁気ディスク等に記録し、各作業場で内容を常時確認できる機器を設ける
  • 変更後の就業規則を書面で労働者へ配布する

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36協定違反になるケース&罰則

もし36協定違反になってしまったら、どのような罰則があるのでしょうか。実際の事例から36協定違反になるケースと罰則を確認してみましょう。

ケース1:36協定の締結と届出をせず、時間外労働を強制(運送業者)

【罰則】労働基準法32条違反:企業の代表者に対して、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

労働者に割増賃金を支払っていた場合でも届け出を出していない場合は違法となります。長時間労働はすでに社会問題にもなっています。労使間で取り決めた労働時間内に収めることは従業員を守ることでもありますが、長い目で見て企業そのものを守ることに直結します。

ケース2:36協定は締結、残業代の未払いもないが特別条項を超えて労働させていた(食料品製造会社)

【罰則】労働基準法36条違反:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

こちらは労使間で36協定の締結も行われていて残業代も支払われていましたが、特別条項で延長できると定められている労働時間を超えて労働させていたことが違反となりました。このように一見遵守していたように見えますが、特別条項の部分において漏れがあると罰則を受けることになります。

ケース3:36協定の限度を超えて時間外労働をさせる(大手ディスカウントストア)

【罰則】労働基準法第36条違反:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

36協定の範囲を大きく超えて時間外労働を行わせたケースです。 労働者と会社が結んでいた協定では時間外労働を3か月120時間までとしていましたが、複数の店舗で最長415時間の時間外労働を労働者に行わせていました。

36協定違反になると、金銭的なダメージだけでなく会社としてイメージダウンにもつながります。正しい36協定の利用方法を理解してリスクを回避しましょう。

36協定を締結・運用する上での注意点

36協定を締結し、運用する際には注意すべき点があります。おもな注意点を解説します。

一定期間ごとに更新が必要

36協定を締結する際には、有効期間の設定が必要です。有効期限を過ぎた協定は効力を持たないため、定期的な更新が必要となります。

締結後も、残業時間が無制限に認められるわけではない

36協定を締結しても、従業員に無制限に残業を命じることはできません。36協定には、時間外労働の上限時間や休日労働の上限日数を定める必要があります。条件を無視して、時間外労働や休日労働を命じる行為は法律違反となります。

また、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。上限を超える場合は、特別条項を定めなければなりません。

各事業所単位で締結しなければならない

36協定は、対象となる事業場の従業員に限り適用されます。他の事業場の従業員には適用できません。複数の事業場で時間外労働や休日労働を行わせる場合は、それぞれの事業場ごとに36協定を締結する必要があります。

締結後も、安全配慮義務を怠ってはならない

企業は、従業員の生命や身体の安全に配慮する義務(安全配慮義務)を負っています。36協定を締結している場合でも、安全配慮義務を果たしたとは認められません。36協定の範囲内であっても、安全配慮義務があるため、長時間労働と過労死の関係について注意が必要です。

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まとめ

会社や組織の業務を円滑に行うためには、ときとして時間外労働や休日労働も必要です。内容を十分に把握した上で、36協定を締結して届出することで、法律に抵触せずに業務の生産性を高めることにもつながります。会社や組織として十分なパフォーマンスを発揮するためにも、36協定は企業のトップや人事担当者がおさえておきたい重要なポイントのひとつです。

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この記事の執筆者
株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
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