1年単位の変形労働時間制とは?メリットやデメリット、手続きと届出、導入までの流れを解説
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公開日:2018年3月21日
更新日:2026年5月28日
こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。
特定の期間に法定労働時間を超えて労働させることができる変形労働時間制ですが、近頃は導入企業の話を聞くことが増えました。ただ導入にはある一定の条件と所轄の労働基準監督署への届け出が必要になります。スムーズな導入のためにもこの記事では、1年単位の変形労働時間制の届出に必要な手続きを詳しくご紹介します。ぜひ参考になさってください。
- 1年単位の変形労働時間制の仕組みや1か月単位との違い
- 制度導入による生産性向上やワークライフバランス改善のメリット
- 勤怠管理負担や従業員対応など導入時のデメリットと注意点
- 労使協定や届出書類など導入に必要な手続きと流れ
目次
1年単位の変形労働時間制とは
1年単位の変形労働時間制とは、1か月を超え1年以内の一定期間において、平均して1週間あたり40時間以内となるように労働時間を調整する制度です。範囲内であれば、日や週によって法定労働時間を超える労働を設定することも可能です。たとえば、繁忙期に超過した労働時間を、閑散期に調節できます。
1年単位と1か月単位の違い
1年単位と1か月単位の変形労働時間制は、対象とする期間が異なります。
- 1か月単位:1か月以内の一定期間
- 1年単位:1か月を超え1年以内の一定期間
1年単位の変形労働時間制では、「対象期間」と「特定期間」という期間を対象とします。対象期間では、適用対象となる期間内を平均し、労働時間を算出します。たとえば、5月1日から8月31日までを対象とする場合、3か月が対象期間です。
一方、特定期間とは、労使協定で定められた繁忙期のことです。特定期間内であれば、通常の連続勤務日数の上限を超えた勤務が認められます。たとえば、ケーキを販売する店舗の場合、12月24日〜25日前後の繁忙期に連続労働日数の上限を超えた勤務が可能です。
変形労働時間制とシフト制の違い
変形労働時間制は、月単位や年単位で労働時間を調節する制度です。労働基準法第32条のもと、就業規則や労使協定など、法的な手続きに則って定められます。一方のシフト制は、時間や曜日ごとに労働時間を割り振る制度を指します。労働基準法が適用されるものの、法的な届け出の義務はありません。
1年単位の変形労働時間制のメリット
変形労働時間制は、生産性やワークライフバランスなどにも影響します。ここでは、制度のメリットについて解説します。
労働時間を調整できる
変形労働時間制によって、企業の都合や時期などにあわせて労働時間を調整できます。年間を通じて労働時間を柔軟に調整できる点がメリットであり、繁忙期と閑散期が明確な業界で採用されています。所定労働時間の範囲内であれば、1日や1週間で法定労働時間を超えていても、時間外労働とはならない場合があります。
生産性が向上する
労働時間の調整と適切な人員配置によって、業務効率が改善し、企業全体の生産性向上につなげられます。繁忙期と閑散期の労働時間の調整によって支出を削減し、安定的な経営が可能です。閑散期の所定労働時間を調整することで、長時間労働も抑制でき、非効率的な運営を避けられます。
従業員のワークライフバランスが向上する
メリハリのある労働によって、従業員のワークライフバランスが向上する点もメリットです。たとえば、閑散期に連続休暇を取得したり、時短勤務をしたりするなど、都合に合わせて時間の調整ができます。プライベートの時間を確保しやすくなるため、モチベーションの向上にもつながります。
1年単位の変形労働時間制のデメリット
1年単位の変形労働時間制は、勤怠管理の負担が増加したり、制度に反対意見が出たりする場合があります。ここでは、デメリットについて解説します。
勤怠管理と運用コストの負担が増加する
変形労働時間制は、時期によって所定の労働時間が異なるため、勤怠管理の負担が煩雑になります。日や週ごとに所定労働時間を設定し、制度に応じて残業代を算出しなければなりません。また、システムによっては、入力ミスや集計ミスなどが起こる可能性もあります。スケジュール調整も必要となるため、運用コストの増加に注意が必要です。
制度の導入に反対される可能性がある
1年単位の変形労働時間制は、従業員に反対されるケースがあります。所定労働時間を調整することで、繁忙期の残業代が削減され、収入の減少につながるためです。また、繁忙期の残業が増える可能性もあり、労働時間の増加にも考慮しなければなりません。制度を導入する際は、従業員に理解を得る必要があります。
1年単位の変形労働時間制の届出に必要な内容を紹介
労働基準監督署へ届出するために必要なものは
- 1年単位の変形労働時間制に関する協定届
- 書面による労使協定
- 変形労働時間制期間中の労働日および時間がわかる勤務カレンダー
- 就業規則に変更がある場合、労働者代表の意見書を添付した就業規則
いずれも、提出用と会社控用、2部ずつ必要です。
ここでは1年単位の変形労働時間制の届出に必要なことを、順を追ってご紹介します。
届け出書類の書き方
まず、労働基準監督署長に届出を行う際は、厚生労働省が指定した、「1年単位の変形労働時間制に関する協定届様式第4号(第12条の4第6項関係)」が必要です。この書類は厚生労働省のホームページ内にある、ダウンロードページより入手できます。書類は提出用と控用で、合計2部用意しておきましょう 。

1.書類はまず、事業の種類、名称、所在地、労働者数など簡単なところから埋めていきます。労働者数ですが、これは、役員以外の人数です。有期契約中のパートおよびアルバイトの人数は、作成時に雇用契約があるならば人数に含みます。事業の種類の欄には「〇〇製造業、××販売業」というように記入し、事業の名称の欄には、「〇〇会社〇〇工場、××会社××営業所」というように出先機関名まで詳しく記入する必要があります。

2.今までに、1年単位の変形労働時間制に対する労使協定があった場合には、該当箇所である「旧協定」に関する項目を埋めていきます。

3.そして書面の労使協定を記入します。注意点としては、原則として労働時間は最大で1日10時間(18歳未満の場合は8時間)、労働時間数は最大で週52時間(18歳未満の場合は48時間)です。記入する際に注意しましょう。その他に注意する点は次の見出しをご覧ください。

4.次に1週間の労働時間の平均が40時間までの規定に合うかどうかの計算をします。

5.最後に内容をもう一度確認して、届出日、正式な会社名および役職名、氏名を記入したうえで押印します。
6.提出した際には、必ず控えをもらうようにしましょう。もらった控えは、期間満了日から3年間は保管しておく必要があります。
労使協定の概要&変形労働時間制のルール策定
変形労働時間制の導入には労使協定を結ぶ必要があります。従業員の労働時間に関わるからですが、1年単位の変形労働時間制の採用を行う際には、労使協定において、以下の事項を定める必要があります。
対象となる労働者の範囲
1年単位の変形労働時間制では、対象になる労働者の範囲をできるだけ明確に定めます。常時使用する労働者数とは人数が異なる場合もあります。
対象期間
対象期間とは、その期間の1週間あたりの労働時間が、40時間を超えない範囲で労働させる期間を指します。対象期間は1か月以上1年以内です。
特定期間
特定期間は、1年単位の変形労働時間制での対象となる期間中、特に業務が繁忙になる時期を指します。
労働日、労働時間
労使協定で定める労働時間は、対象となる期間の1週間あたりでの労働時間が40時間以内である必要があります。計算方法は、対象期間における労働時間の総枠=40時間×対象の暦日数÷7です。また、1年単位の変形労働時間制においては、対象期間の労働日とその労働日毎の労働時間を具体的に定めなければいけません。そのため、使用者による業務の都合での、自由な労働時間の変更はできません。
労使協定の有効期間
1年単位の変形労働時間制を運用してみて、この制度を継続するのか、もしくは廃止するのかなどの判断を行う機会を使用者、労働者双方に与えるために、労使協定の有効期間を定める必要があります 。
労働基準監督署への届出に必要なもののまとめ

1年単位の変形労働時間制の採用を行う際は、初年度に就業規則の変更を行っておけば、次年度以降の変更は必要がなくなります。ただし、年間カレンダーが就業規則の付属規定となっている場合は、毎年度の改訂が必要なので注意しましょう。
また、本来ならば10人未満の労働者数の事業所においては、就業規則の届出義務はありません。しかし、1年単位の変形労働時間制を採用する場合には、小規模の事業所であっても 届出をする必要があります。さらに、対象期間を過ぎるとまた新たに次の対象期間分の届出を提出しなければなりません。
届出の際には、さきほどの「1年単位の変形労働時間制に関する協定届様式第4号(第12条の4第6項関係)」に、変形労働時間制期間の勤務カレンダーおよび協定書を添付して提出をするのが一般的です。しかしながら、法的には、協定書の添付は必要ありません。
ただし、様式第4号の中に記載項目をすべて記載できなかった場合などは、添付が必要です。書面による労使協定は、法的には添付する義務はありませんが、労働基準監督署の受付では、当たり前のように添付を求められることがほとんどです。そのため、協定書は最初から添付しておいたほうが届出はスムーズに行えるでしょう。
スムーズな書類作成を
1年単位の変形労働時間制協定届は、所定の様式に記入するだけではなく、各日および各週の労働時間を記載しているカレンダーおよび協定書の作成が必要になるため、何かと手間がかかってしまいます。
また、期間が終了してしまう前に次の期間の届出を行う必要があるので、つい忘れてしまいがちです。これらの業務をスムーズに行うために、勤務カレンダー作成ソフトや勤怠管理システムを導入するのもひとつの方法です。さまざまなツールを利用して、スムーズな書類作成を行うようにしましょう。
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- この記事の執筆者
- 株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
- 受賞歴:
- 「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
- 「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
- 「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
- ITトレンド Good Productバッジ 2022














