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労働基準監督署の是正勧告とは?調査が入る4つのケースと従わない場合の罰則や対処法を解説

ナレッジ

公開日:2018年3月18日
更新日:2026年5月26日

こんにちは。シェアNo.1クラウド勤怠管理システム「タッチオンタイム」のコラムチームです。

働き方改革が加速している今、労働条件違反への取り締まりがますます強化されています。

是正勧告(ぜせいかんこく)という労働基準監督署による立ち入り調査もその一つです。名前は聞いたことがあっても、どんな調査が行われるかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで労働基準監督署の調査のチェックポイントや、是正勧告の内容、是正勧告を受けた場合の対処などを市場シェアNo.1の勤怠システムを提供しているタッチオンタイムが解説します。

是正勧告に関する正確な知識を身に付けたい方は、ぜひ参考ください。

この記事でわかること・解決できること
  • 是正勧告の概要や労働基準監督署による調査内容
  • 調査が入る主なケースや、よくある違反内容
  • 是正勧告を受けた際の対応方法や報告書作成のポイント
  • 是正勧告を防ぐための労務管理・勤怠管理の重要性

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是正勧告とは?

是正勧告とは?

是正勧告は、労働基準監督署が企業への立ち入り調査の結果、法令違反があると判断された場合に行われる手続きです。労働基準監督署は、法令違反に対しての是正を企業に求めます。
是正勧告を受けると、是正勧告書が発行されます。是正勧告書に記載された期限までに法令違反の事柄を改善することが求められます。

なお、是正勧告は、「行政処分」ではなく「行政指導」なので、強制力はありません。改善をするかどうかは、企業の判断に委ねられます。
しかし、是正勧告を受けた内容を改善をしなかった場合、司法処分を受けるリスクがあります。ですので、早めに改善して労働基準監督署へ報告するのが賢明です。

是正指導との違い

是正勧告と似た言葉に是正指導があります。

この違いは、是正勧告は法令違反が明らかな場合に出されます。それに対して、是正指導は法令違反の可能性がある場合、または改善した方が良い事柄に対して出されます。
是正勧告と是正指導は、法令違反の可能性の度合いの違いと認識しておきましょう。ただし、是正指導で指摘された内容は、できる限り改善しましょう。改善が終わったら、労働基準監督署へ報告をしましょう。

使用停止等命令書との違い

使用停止命令とは、労働災害を防ぐために施設や設備の使用を禁止するものです。労働基準監督署の調査の結果、労働者に危険があると判断された場合に交付されます。是正勧告とは異なり、法的拘束力をもちます。

指導票との違い

指導票とは、法令に反しないものの、改善の必要がある場合に交付される書面です。一般的に、指導票には、事業場の危険性や改善点が記載されます。是正勧告書と同じく法的拘束力はありません。

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労働基準監督署による立ち入り調査

労働基準監督署による立ち入り調査

立ち入り調査では、労働基準法を遵守しているかどうかをタイムカードや書類の確認、従業員への聞き込みで調査をします。

特に、就業規則や労働時間や有給は厳しくチェックされます。
あらかじめ、就業規則を整えておき、勤怠管理をしっかりと整備しておくことが重要です。特に勤怠管理に不備がある場合は、是正勧告を受けるリスクが高まります。

労働基準監督署の調査が入る4つのケース

労働基準監督署の調査が入る4つのケース

労働基準監督署はどのような場合に調査に入るのでしょうか? まずは、調査が入るケースを解説します。

労働基準監督署によって行われる調査を、「臨検監督」といいます。労働基準監督署に所属する監督官には法律による権限が与えられており、この臨検監督を拒否することは原則不可能です。労働基準監督署が行う臨検監督の実施には、主に以下の4つのパターンがあります。

1.主体的または計画的に対象事業場を選ぶ

「定期監督」と呼ばれ、計画的に行われる調査です。どのような基準で調査対象となる企業を選定するかは、厚生労働省の公式サイトにて毎年4月に公開される「地方労働行政運営方針」が大きく関係しています。この方針に基づき、各都道府県で重点方針を決めています。

2.労働者からの申告があった

「申告監督」と呼ばれ、臨検監督でもっとも多いケースです。平成27年の新規申告受理件数は2万6,280件にのぼり、違反事業場は1万5,782件で全体の60%でした。

3.労働災害が発生した

「災害時監督」と呼び、大きな労働災害が発生したときに調査が入ります。労働災害が起こった原因の究明や、再発防止を目的とする調査です。

4.是正勧告を受けた

「再監督」と呼び、是正勧告を受けた企業が正しく改善をしたかを調査します。また、期日までに報告をしなかった場合も再度調査を行います。

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労働基準監督署から事前調査指示を受ける内容

労働基準監督署から事前調査指示を受ける内容

では、臨検監督はいつ行われ、予告などはあるのでしょうか?臨検監督は原則予告なしとしています。
しかし、実際には予告して調査に入るケースが多いです。電話で調査予定日を連絡したり、ファックスで調査予定日や準備しておく書類を告げたりします。

上でも少しお伝えしましたが、要求される書類は調査によって異なります。
一般的に共通して要求されるものは、会社組織図、労働者の名簿、就業規則、雇用契約書、賃金台帳、タイムカード、時間外労働や休日労働に関する協定届、健康診断個人票などです。調査の段階で追加書類を求められることもあります。

調査を乗り切るための事前の改善

こういった臨検監督で指摘を受けないようにするためには、どのようなことをしたらよいのでしょうか?

臨検監督の実施前に改善しておけば、労働監督署からの調査で指摘を受けずに済みます。調査は、「労働条件自主点検表」の内容に沿ってチェックします。この労働条件自主点検表とは労働基準監督署から送られてくるもので、臨検監督前にするセルフチェックのポイントが書かれたものです。

そのため、「労働条件自主点検表」に従って問題点を事前に把握し、改善しておけば、労働基準監督署の対策は可能です。

調査前の自主的な改善例項目

労働条件自主点検表に基づき、自主改善した事例をいくつか挙げます。

  • 通常の労働者が10人以上おり、実情に合った就業規則を作成した。
  • パートタイム労働者を雇っており、適用の就業規則を設けた。
  • 1週間の所定労働時間を40時間以下に定めた。
  • 労働時間が6時間以上8時間以下の場合45分以上、8時間以上なら60分以上の休憩時間を取るよう定めた。

よくある是正勧告内容

よくある是正勧告内容

上でもお伝えした通り、労働基準監督官が調査を行った結果、法令違反があった場合に行われるのが是正勧告です。では、実際にどのような是正勧告が行われているのでしょうか? 定期監督ではおよそ7割の事業場で法令違反が報告されています。平成27年の違反内容で多いものは、以下の通りです。

  1. 労働時間 20.8%
  2. 安全基準 19.1%
  3. 健康診断 15.1%
  4. 割増賃金 14.5%
  5. 労働条件の明示 11.6%

また申告監督の処理状況を見ると、違反事業場比率は60%で、1万5,782件の違反事業場が確認されました。申告の場合の違反内容については賃金の不払いが圧倒的に多く、解雇や最低賃金違反も問題となっています。

違反内容としては労働時間に関する違反が最も多いです。労働時間は原則として、1週間で40時間、1日で8時間(休憩時間は除く)を超えて労働させてはいけないことになっています。近年、特に長時間労働は過労死などにつながる可能性があるので、労働基準監督署でも重点項目として取り締まられています。

就業規則に関する違反

従業員が10名以上所属する事業所では、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が必要です(労働基準法第89 条)。また、就業規則の内容を変更した場合も労働基準監督署への届け出が必要です。
仮に、就業規則の必要事項に記載漏れがあったり、そもそも就業規則を作成していなかったりすると、是正勧告の対象となります。違反が認められると、30万円以下の罰金を支払わなければなりません。

※参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索

労働時間に関する違反

上でもお伝えした通り、労働基準法第32条により、労働時間は原則1日で8時間、週で40時間までとされています。また、時間外労働を含めても、2019年4月1日から「働き方改革」により、労働基準法第40条で以下のように定められました。

  • 年間360時間以内
  • 月45時間以内

これらに違反した場合、是正勧告を受ける場合があります。6か月以下の懲役または30万円以下の罰金になる可能性があります。

臨時的な特別な事情があってやむなく先の残業時間の上限を超える必要がある場合は、労使協定を結べば以下の条件で残業時間の上限を超えられます。

  • 月に100時間まで(休日労働を含む)
  • 年に720時間まで(休日労働を含む)
  • 複数月の平均にして80時間まで(休日労働を含む)
  • 労働基準法の原則である月45時間の上限を超えられるのは年に6か月まで

※参考:労働基準法 | e-Gov 法令検索労働時間・休日 |厚生労働省
時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省

有給に関する違反

2019年4月1日から「働き方改革」により、年次有給休暇の取得が義務化されました。使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があると、労働基準法第39条により定められています。以下の2点に該当している場合は、基本的に年次有給休暇が付与されます。

  • 雇入れの日から6か月継続して雇われている
  • 全労働日の8割以上を出勤している

※パート・アルバイトで働く従業員にも有給休暇は付与されます。その場合は労働日数に応じて有給休暇の付与日数が変わります。詳しくは『【年次有給休暇が義務化】勤怠管理と併せて効率的に有給管理しよう 』をご覧ください。

有給の取得をさせなかった場合、是正勧告の対象となります。有給に関する違反を改善しなかった場合、従業員1人に対して最大で30万円の罰金となります。

※参考:年次有給休暇の時季指定 | 働き方改革特設サイト

割増賃金に関する違反

労働基準法により、時間外労働、休日労働、深夜業に従事した場合には、割増賃金を支払わなければなりません。それぞれの割増賃金率は以下のとおりです。

  • 時間外労働:25%以上の割増賃金
  • 休日労働:35%の割増賃金
  • 深夜業:25%の割増賃金

深夜業は、22時から翌5時までの労働の事を指し、時間外労働や休日労働に加算して支払います。2023年4月1日の労働基準法改正により、1か月の時間外労働が60時間を超えた場合の割増賃金率は、大企業、中小企業いずれも50%となっています。

割増賃金の未払いは労働基準法第37条違反として、6か月以下の禁固刑あるいは30万円以下の罰金が科される可能性があります。

※参考:しっかりマスター 割増賃金編

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是正勧告に従わない場合の罰則

是正勧告は行政指導であって行政処分ではありません。つまり、法的な強制力は伴わないということです。しかし法令違反だと指摘されているため、虚偽の内容を伝えた場合、繰り返し是正しない場合や見るからに悪質だと判断された場合は、検察庁から書類送検される可能性があります。その結果社名が公表されるなど、各法律で定められた罰則が適用される場合も出てきます。是正勧告を受けたら、無視せず対応するべきでしょう。

是正勧告書の概要&交付された後に行うこと

是正勧告書の概要&交付された後に行うこと

調査の結果法令違反があり是正勧告を受けると、交付されるのが是正勧告書です。違反事項と是正期日が記載されており、交付を受ける際は受領日、受領者職と受領者氏名の署名捺印が求められます。

是正勧告書を交付されたら指摘があった違反内容を改善し、期日までに是正報告書を出さなければなりません。この是正報告書は特に書式などは決まっていませんが、違反内容と是正内容、是正完了年月日を記載し、会社名と所在地、代表者名を記名押印したものを提出するようになっています。

また法令違反でないものの改善が必要とされた場合、「指導票」という別の書類が交付されることもあります。これも是正勧告書と同じように、改善状況の報告が必要です。

是正勧告は人事労務管理を改善するチャンスと捉えましょう。労働契約内容や就業規則、人事制度、従業員の勤怠管理などを見直すいい機会となります。 また、是正報告書を提出することで「労働法令違反状態を何年何月何日にどのような措置を行い是正したか」という事を行政側の受領印付き書面にて証明できるようになります。

例えば、従業員のケガなどで事業主の民事上の責任が問われた場合、是正報告書を提出していなければ、安全対策実施内容とその実施日を証明することが難しくなってしまいます。
そのような状況にならない為にも、是正勧告書と指導票を交付された後には、指摘内容・是正内容をもとに迅速に労働環境の是正を行いましょう。

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是正勧告を受けた場合の対処法

是正勧告を受けた場合の対処法

上でもお伝えした通り、是正勧告を受けた場合の対処法は、迅速に是正を実行することです。

是正勧告を無視した場合は、司法処分を受けるリスクがあるためです。社会保険労務士や弁護士などの専門家の知恵も借りつつ、是正勧告を受けた部分を速やかに改善して、労働基準監督署へ提出をしましょう。

なお、社内の勤怠管理の体制が整っていない場合、再度是正勧告を受けるリスクがあります。勤怠管理ソフトを導入して、勤怠管理をしっかりしておけば、再び是正勧告を受けるのを防止できます。

是正報告書の作成ポイント

是正報告書とは、労働基準監督署の調査で是正勧告を受けた企業が違反状態を改善したことを報告する書類です。ここでは、是正報告書の作成ポイントを解説します。

是正・改善措置の内容を詳細に記載する

是正報告書では、改善内容を具体的に記載することが求められます。いつ、何に対しどのような対応をしたのか、だれが責任をもって点検するか、今後、どのような対策を施すかなどを具体的に記載します。今後気を付けます。注意します。といった漠然とした内容は不可です。違反事実が解消されたことを明確に記載しなければなりません。

必要に応じて写真や別途資料を添付する

文章で表現しにくい事項については、写真や別途資料を添付して報告することが求められます。
機械を修繕したり、設備を設置したりした場合はその写真を添付します。契約書面や規定などの書面を新たに作成した場合は、書面の写しを添付します。不足賃金などを支給した場合、明細や振込の受領書が必要です。

提出期日に遅れそうな場合は事前に連絡する

是正報告書は、指定の期日までに指摘された内容を改善し、必要書類を提出しなければなりません。期日を守らなかった場合、労働基準監督署に改善が不十分であると判断され、再調査が行われる可能性もあります。期日に間に合わない場合、事前に担当者に連絡し、対応を委ねましょう。進捗状況や今後の対応予定を踏まえて、改めて期日が決定されます。

是正勧告を受けた場合、公表されるのか?過去是正勧告を受けた企業2例

是正勧告を受けた場合、公表されるのか?過去是正勧告を受けた企業2例

是正勧告を受けた場合、公表されるのでしょうか?平成27年までは是正勧告を受けても企業名が公開されることはありませんでした。しかし、平成27年以降は是正勧告でも一定の要件を満たしている場合は、企業名を公表することになりました。

  • 社会的な影響が大きい企業
  • 違法な長時間労働が複数の現場で繰り返えされていること

企業名を公開されると企業のイメージダウンになるので、是正勧告を受けないように日ごろから法令は遵守しておきましょう。

なお、過去に是正勧告を受けた企業を2社紹介します。

是正勧告を受けた企業の事例1

2020年9月に女性従業員の残業代の一部を支払っていなかったため、是正勧告を受けました。女性従業員は2018年から長時間労働をしていたそうです。

是正勧告を受けた企業の事例2

2017年7月に群馬の製作所で従業員複数名に対して、未払い残業があったとして、是正勧告を受けた企業があります。この群馬の製作所では、残業時間の把握ができておらず、従業員の自己申告で勤怠を管理していました。また、従業員が実際にの労働時間よりも短い時間で勤務時間を申告をしたそうです。

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労働環境の整備と会社の明るい未来のために

労働環境の整備と会社の明るい未来のために

調査で違反が見つかると、是正勧告を受けることは避けられません。是正勧告を受けずに済むためには、日頃から自社の労働環境をよく把握し、従業員の労働実態をつかんでおくことが求められます。また急な調査が来ても慌てないよう、資料や規則の見直しといった事前の準備も必要です。労働基準監督署の調査対策は、労働環境の整備にもつながります。会社の明るい未来のためにも、職場の労働環境の把握や改善に取り組んでみてください。

職業の労働環境の把握や改善に取り組むのに必要不可欠なのが勤怠管理のシステム化です。

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この記事の執筆者
株式会社デジジャパン「タッチオンタイム」コラムチーム
受賞歴:
「ITreview Grid Award 2026 Spring」勤怠管理システム部門 最高位「Leader」
「ITreview The Best Software in Japan 2026」TOP100ランクイン
「BOXIL SaaS AWARD Spring 2025」勤怠管理システム部門
ITトレンド Good Productバッジ 2022

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